昭和57年台風第18号

昭和57年台風第18号（ジュディ）

1982年9月に発生した台風18号、国際名ジュディは、日本列島に大きな被害をもたらした台風です。グアム島南西海上で発生した熱帯低気圧が発達し、9月6日に台風18号となりました。その後、勢力を強めながら北西に進み、12日には静岡県御前崎町付近に上陸しました。上陸後も衰えることなく、関東・東北地方を縦断し、13日に温帯低気圧に変わりました。

台風の進路と勢力

9月5日21時、グアム島南西海上で発生した熱帯低気圧は、西進しながら発達し、翌6日9時には中心気圧994mbの台風18号となりました。その後、北西に進路を変えながら勢力を増し、10日3時には中心気圧960mbの大型で並の台風に成長しました。鳥島西方を北上し、11日18時には伊豆諸島の八丈島南西約640kmに達しました。この時の中心気圧は965mb、最大風速は35m/s、暴風域の半径は250kmでした。その後も大型で並の勢力を維持したまま北上し、12日18時頃に静岡県御前崎町付近に上陸しました。上陸後は次第に勢力が衰え、山梨県東部を縦断した後、時速40kmで加速しながら関東・東北地方を縦断し、13日には津軽海峡を抜け、同日8時には北海道苫小牧市南100km付近で温帯低気圧に変わりました。

各地への影響と被害

この台風は、東海地方から関東甲信地方を中心に、北海道から兵庫県までの27都道府県に被害をもたらしました。

静岡県: 12日夕方に掛川市で原野谷川と逆川が氾濫し、市内ほぼ全域が浸水しました。
山梨県: 台風の北上に伴い、本州南岸に停滞していた秋雨前線の活動が活発化し、記録的な大雨となりました。県南部では総雨量が600mmを超えるなど、県内各地で河川の増水や崖崩れが多発しました。富士五湖地方では、13日から16日にかけて増水が続き、特に河口湖付近で大きな浸水被害が発生しました。
神奈川県: 死者4人、負傷者37人、家屋の半壊36棟、床上浸水5,082棟、床下浸水11,162棟の被害に加え、県内679箇所で崖崩れが発生しました。
東京都: 12日午後に国鉄山手線の恵比寿駅構内で路盤が崩壊し、山手線全線が不通となりました。また、都内を流れる神田川、石神井川、目黒川などが氾濫し、6,000戸が床上浸水しました。国鉄では東海道新幹線をはじめ、多くの路線が不通となるなど、交通網に大きな影響が出ました。
埼玉県: 新河岸川や柳瀬川などが氾濫し、富士見市、朝霞市、志木市で床上浸水2,800戸に達しました。
兵庫県: 神戸港のポートアイランド沖で、高波により釣り船が転覆し、2人が死亡、2人が行方不明となりました。
新潟県: 上越市で、関川の支流である矢代川と正善寺川が氾濫し、床上浸水2,500戸が発生しました。国鉄直江津駅も水浸しとなり、信越線などがストップしました。
長野県: 飯山市で樽川が決壊し、住宅600戸が床上浸水しました。南佐久郡南牧村では千曲川が氾濫し、国鉄小海線の護岸が崩壊しました。
福島県: 阿武隈川が氾濫し、各所で警戒水位を上回る大洪水が発生しました。堤防が決壊し、耕地への冠水や家屋の浸水、土砂崩れなどが相次ぎました。被害総額は約129億4,700万円に達しました。

被害総括

この台風により、全国で死者38人、負傷者174人、住家の損壊651棟、住家の浸水136,308棟などとなり、被害総額は1,258億円に達しました。

脚注

デジタル[台風]]：[台風198218号（JUDY）- 総合情報（気圧・経路図） - 国立情報学研究所（北本朝展）

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