時川英之

時川英之：映像で紡ぐ、広島の物語と平和への祈り

時川英之（ときがわ ひでゆき）は、1972年広島市生まれの映像作家、映画監督です。広島を拠点に、映画、ドキュメンタリー、TVCM、ミュージックビデオなど、多岐にわたる映像作品を手がけています。

生い立ちと映画への道

小学生の頃から父親の影響でカメラに親しみ、中学生時代には友人たちと自主制作映画を制作。広島県立国泰寺高校時代はサッカー部に所属し、全国大会にも出場しました。明治大学卒業後、カナダのバンクーバー・フィルムスクールで本格的に映画を学び、ディスカバリーチャンネル・アジアやウォルト・ディズニー・テレビジョンでプロデューサー/ディレクターとして経験を積みました。その後、映画監督の岩井俊二に師事し、『六月の勝利の歌を忘れない』や『花とアリス』などの作品に参加しました。

映画監督としての活動

2009年にはTimeRiver Pictures 株式会社を設立。初監督作品『ラジオの恋』(2012)は、広島ダマー映画祭などで招待作品となり、シネマヴェルデ2013では観客賞を受賞しました。福山市の映画館閉館を題材にした『シネマの天使』(2015)では、モンテルーポ・フィオレンティーナ国際映画祭で監督賞と作品賞を受賞するなど、国内外で高い評価を得ました。

広島への想いと平和へのメッセージ

時川監督の作品には、故郷である広島への深い愛情と、平和への強いメッセージが込められています。広島を舞台にした作品が多く、地域に根ざした視点と普遍的なテーマを融合させた作風が特徴です。短編ドキュメンタリー『どうして広島に来たの？ Why Did You Come To Hiroshima?』は、オバマ大統領の広島訪問時のスピーチに影響を与えた可能性も指摘されています。

多様なジャンルでの活躍

映画監督としての活動以外にも、TVCMやミュージックビデオなど、幅広いジャンルの映像作品を手がけています。miwaの『リトルガール』や松山千春の『初雪』など、著名アーティストのMVも手がけており、映像表現の幅広さを示しています。

主な作品

映画
『ラジオの恋』(2012) - 監督・脚本・編集
『シネマの天使』(2015) - 監督・脚本・編集
『鯉のはなシアター』(2018) - 監督・脚本・編集
『彼女は夢で踊る』(2020) - 監督・脚本・編集
ドキュメンタリー
『六月の勝利の歌を忘れない』(2002) - プロデューサー
『海に沈んだ写真の記憶』(ディスカバリーチャンネル) - 監督・プロデューサー
短編映画
『どうして広島に来たの？ Why Did You Come To Hiroshima?』(2013) - 監督・編集

受賞歴

マドリード国際映画祭 審査員賞（『彼女は夢で踊る』）(2020)
広島国際映画祭 ヒロシマ平和映画賞（『鯉のはなシアター』）(2018)
モンテルーポ・フィオレンティーナ国際映画祭 監督賞、作品賞（『シネマの天使』）(2015)
LA Cinema Festival of Hollywood映画祭 ベスト長編映画賞（『シネマの天使』）(2015)


時川英之監督は、これからも広島を拠点に、映像を通して人々の心に響く作品を創り続けていくことでしょう。

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