時論公論

時論公論（じろんこうろん） は、NHK総合テレビジョンで放送されている、日本のニュース解説番組です。2006年4月3日に、それまで放送されていた『あすを読む』の後継番組としてスタートしました。

番組の内容

この番組の大きな特徴は、NHK解説委員室に所属する専門家である解説委員が出演し、その時々の国内外の重要なニュースや社会問題について、その背景、現状、そして今後の見通しなどを深く掘り下げて解説する点にあります。基本的には一人の解説委員が解説を行いますが、特に複雑なテーマや多角的な視点が必要な場合は、複数の解説委員が出演し、対談形式で議論を深める回も増えています。解説の時間が通常より延長されることもまれにあります。また、突発的な大きな事件や災害が発生した場合、あるいは重要なニュースが飛び込んできた場合には、急遽そのテーマに関連した内容に変更して放送されることがあります。

放送形態の変遷

番組開始当初の2006年4月3日から2010年3月26日までは、夜のニュース番組の一部として放送されていました。具体的には、『スポーツ&ニュース』（2006年度）や、その後継番組である『きょうのニュース&スポーツ』（2007年度〜2009年度）の中に、1コーナーとして内包される形でした。しかし、2010年3月29日からは独立した単独番組となり、現在に至ります。単独番組としては、『終 制作・著作 NHK』といったクレジットが表示されるようになりました。また、オープニングやエンディングの演出、使用される音楽や映像なども、時代の変化や編成に合わせて何度か変更されています。特に2013年度以降は、同時期に放送される他のニュース番組との共通アイキャッチが、実質的なオープニングの役割を果たすようになりました。

放送時間と再放送、配信

『時論公論』の放送時間は、長年の歴史の中で何度か変更されています。番組開始当初は23時台のニュース番組内でしたが、単独番組となってからは深夜0時台に放送される期間もありました。その後も編成の改変に合わせて放送時間が移動し、2024年度現在は月曜日から金曜日の23時30分から23時40分に放送されています。この時間帯は、ニュース番組の後に続く形となっています。本放送以外にも、再放送枠が設けられています。以前は早朝にも再放送がありましたが、2024年度からは日中の時間帯（月曜〜金曜の午後）に再放送が行われています。また、NHKオンデマンドでの見逃し配信に対応しており、NHKワールド JAPANのウェブサイトでは海外向けに同時配信も行われていますが、国内からのインターネット視聴はNHKプラスとの整合性から対象外とされています。

緊急時や特別対応

生放送中に緊急地震速報が発表された場合など、緊急時には出演中の解説委員が視聴者への呼びかけを行うことがあります。この際の対応は、専門的な解説を行う立場からか、アナウンサーによるものと比べると比較的簡潔な傾向があります。実際に、過去には放送中に発生した地震に対して、解説委員が初動対応を行った事例があります。また、大規模な気象事案（台風など）や災害が発生した際には、番組が休止され、その事案に関連するニュースや情報に差し替えられる場合があります。国政選挙の関連政見放送や、オリンピック期間中の特別編成などにより、放送時間が臨時に変更されたり、普段とは異なる形式で放送されたりすることもあります。

スピンオフ番組

『時論公論』に関連する派生番組も存在します。かつて放送されていた『解説スタジアム』を発展させる形で、『時論公論 クエスチョン・タイム』、そして現在は『ニュースなるほどゼミ』といった番組が制作されています。これらの番組では、本番組とは異なり、複数の解説委員による討論形式が中心となったり、タレントなどのゲストを交えて質疑応答を行う形式が取られたりするなど、多様な切り口でニュースや社会問題を分かりやすく解説する試みが行われています。

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