普通試験

普通試験とは：判任文官への道

普通試験は、大正7年1月18日に勅令第8号として公布された普通試験令に基づいて実施された、判任文官の任用資格を得るための試験です。当時の社会において、公務員への道を開く重要な関門でした。

受験資格と試験内容

原則として、判任文官に任用されるためには、この普通試験に合格する必要がありました。試験は各官庁の需要に応じて、その庁の普通試験委員によって実施され、試験の日程や場所は事前に官報で公告されました。東京以外での試験は、地方の新聞紙にも公告されました。

試験科目は、中学校の学科目から5科目以上が選択され、中学校卒業程度の学力が必要とされました。ただし、各官庁の業務内容に応じて、試験科目が追加されることもありました。受験手数料は2円でした。

受験制限

普通試験には受験制限があり、禁錮以上の刑に処せられた者や、破産者で復権を得ていない者は受験することができませんでした。

合格判定と合格後の待遇

試験の合格者は、普通試験委員の協議によって決定され、合格者には合格証書が交付されました。しかし、文官任用令第6条によれば、普通試験合格者以外にも、中学校卒業者や一定の学力を持つ者も、普通試験合格者と同等の資格で判任文官に任用される道が開かれていました。

普通試験が意味するもの

普通試験は、学歴社会が確立されていなかった時代において、能力のある人材を公務員として登用するための重要な制度でした。試験の実施方法や受験資格には、当時の社会情勢や価値観が反映されており、歴史的な側面から見ても興味深い制度と言えるでしょう。

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