暗黒街の人気モノ/マシンガン・ジョニー

『暗黒街の人気モノ/マシンガン・ジョニー』は、1984年に製作されたアメリカ合衆国の犯罪コメディ映画です。映画『初体験/リッジモント・ハイ』などで知られるエイミー・ヘッカーリングが監督を務め、主演のマイケル・キートンをはじめ、ジョー・ピスコポ、マリル・ヘナー、モーリン・ステイプルトン、ピーター・ボイルといった実力派キャストが共演しています。

物語は、現代にあたる1935年のニューヨークから始まります。あるペットショップの店主が、子犬を盗もうとした少年を見つけ、彼に犯罪の道に進まないよう諭すために、自身の若き日の経験談を語り始めるというフレームストーリーの形式が取られています。

舞台は遡り、1910年のニューヨーク。主人公ジョニー・ケリーは、貧困の中にあっても誠実さを失わない新聞配達の青年でした。家族は、かつて殺人犯として処刑された父親亡き後、彼と、法律家を目指して学業に励む弟のトミー、そして病を患う母親の三人でした。母親には多額の治療費が必要でしたが、清貧なジョニーの収入だけでは到底賄えない現実が重くのしかかります。母親はトミーが法律家の道を真っ当に進むことを強く願っており、ジョニーはそんな家族を守りたい一心でした。

ある日、ジョニーは自衛のために、抗争相手であったダニー・ヴァーミンという人物を打ち負かす出来事がありました。このジョニーの度胸と腕っぷしが、偶然にもその地域の有力なギャングのボス、ジョッコ・ダンディの目に留まります。ダンディはジョニーに目をつけ、自身の組織に勧誘を持ちかけます。

非合法な仕事であることは承知していましたが、母親の治療費を捻出するための他の手段が見当たらない状況で、ジョニーは苦渋の決断を下します。愛する家族、特に母親と弟に自身の裏の顔を知られ、迷惑をかけることを恐れたジョニーは、元の名前を捨て、「ジョニー・デンジャラスリー」という偽名を使ってダンディのギャング組織の一員となる道を選びます。こうして、貧しいながらも真面目に生きてきた青年は、家族のため、そして生きるために、危険と隣り合わせの裏社会へと足を踏み入れていくのでした。

本作は、ギャング映画としてのハードな設定を持ちながらも、ユーモアあふれるキャラクター描写やコメカルな展開が随所に盛り込まれており、単なる犯罪ドラマに留まらないコメディ映画としての側面が強い作品です。

製作スタッフには、脚本にハリー・コロンビー、ジェフ・ハリス、バーニー・クコフ、ノーマン・スタインバーグの四名が名を連ねています。製作はマイケル・ハーツバーグ、撮影監督はデヴィッド・M・ウォルシュが担当。プロダクションデザインはジョセフ・R・ジェニングス、編集はペンブローク・J・ヘリング、衣裳デザインはパトリシア・ノリス、そして音楽はジョン・モリスが手掛け、作品の世界観を彩っています。家族への愛と、裏社会での葛藤を描いた、ユニークな犯罪コメディとして多くの観客に楽しまれました。

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