暦物語 (西尾維新)

『暦物語』

『暦物語』は、西尾維新による青春怪異小説で、人気シリーズ『物語』の第11巻にあたります。この作品は、2013年5月に講談社BOXレーベルから刊行され、イラストはVOFANが手掛けています。本書は現代の異界を描き出し、前作『化物語』のその後を追う内容となっています。

概要

『暦物語』は、全12話の短編構成で、主人公・阿良々木暦が高校3年生の一年間を振り返る形をとっています。物語は、各話が独立したエピソードとなっていながらも、暦の日常生活や友人たちとの交流がつながり合う魅力的な内容です。特に、これまで語られなかった出来事に焦点を当てているため、新たな発見が多く、読み応えがあります。

本書は447ページに及ぶ長編であり、シリーズ中で最もページ数が多い巻となっています。挿絵は毎エピソードごとに1枚描かれ、ヒロインたちが展開に華を添えています。特に、忍野扇や臥煙伊豆湖といったキャラクターが初めて視覚化されている点も注目です。また、組み合わせられたポストカードセットが2013年6月に発売され、ファンからも好評を得ました。

あらすじ

物語は四月から始まり、阿良々木暦が様々な怪異と関わる過程を様々なエピソードとして描きます。

• - こよみストーン では、暦がクラスメイト・羽川翼から不思議な石の噂を聞き、借金返済のためにこの刺激的な情報を怪異の専門家・忍野メメに売ろうとする。
• - こよみフラワー では、暦が戦場ヶ原ひたぎから聞いた話を確認するために、ある高校の屋上に忍び込み、不思議な花束の存在に驚愕します。
• - こよみサンド では、八九寺真宵から奇妙な砂場の話を聞き、真夜中に公園に足を運ぶことになります。
• - こよみウォーター では、神原駿河の不思議な水の話が引き起こす展開に巻き込まれ、未来を見通す水の謎を確かめる旅に出ます。
• - こよみウインド では、千石撫子とともに詐欺にまつわる話を考察し、彼女の視点から事件の裏側に迫ります。

このように、各エピソードは多様なキャラクターとの関係を描きつつ、読者に新たな視点を提供しています。月が進むにつれ、暦は様々な出来事に直面し、彼の成長と友情、恋愛模様が描かれていきます。

登場キャラクター

• - 阿良々木暦 : 主人公で、春休みに吸血鬼の血を受け継ぎ、怪異と向き合う男子高校生。
• - 羽川翼 : 暦のクラス委員長で、不思議な石の話を持ちかける知識豊富な少女。
• - 忍野メメ : 怪異の専門家で、様々な事件に関与する心強い人物。
• - 戦場ヶ原ひたぎ : 暦の恋人候補で、強い意志を持つ少女。

商業展開

『暦物語』は、その後、アニメ化やアプリ展開が行われ、多くのファンから支持を受けることとなります。特に、アニメ版では独自のストーリー展開が魅力となっており、小説ファンだけでなく、新たな視聴者層も獲得しました。物語の深い世界観と独自のキャラクターたちは今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

このように、全12話から成る『暦物語』は充実した内容であり、読者にとって新たな冒険と感動が詰まった一冊となっています。

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