曲がれ!スプーン

曲がれ!スプーン

『曲がれ!スプーン』は、上田誠作の戯曲で、劇団ヨーロッパ企画によって初演されました。２０００年のクリスマスイブを舞台に、超能力を持つキャラクターたちが、愛すべきドタバタを繰り広げます。節目の公演や映画化もされ、多くのファンに愛され続ける作品です。

あらすじ

舞台は街外れの「カフェ・ド・念力」。この喫茶店は、超能力に興味がある人々や実際に能力を使える者たちが密かに集う場所です。マスターは超能力者ではありませんが、過去の経験から超能力者たちのサポートを願い、この店名を付けました。

クリスマスイブの日、喫茶店では超能力者たちが集まり、自身の隠れた能力を披露するパーティーが行われます。しかし、彼らの楽しみの最中、テレビ番組『あすなろサイキック』のAD・桜井が誤って店に紛れ込んでしまいます。彼女の出現は、超能力者たちに思いもよらぬ混乱を引き起こすのです。

登場人物

• - 早乙女: 喫茶店のマスターで、超能力に憧れているが、本人は特別な能力を持っていない。
• - 河岡: サイコキネシスを使う常連客。
• - 小山: 新顔の客で、テレポートの能力を持っている。
• - 筧: 透視能力を持つ常連客。
• - 椎名: 筧の後輩で、テレパシーが使える。
• - 井出: 電子機器を操る能力を持つ常連客。
• - 桜井: テレビ番組のAD。超常現象に興味を持ちながら奮闘する。

上演履歴

この戯曲は度重なる公演を経て、２００９年に改題と改訂が施され再演されました。作品は、コメディとしての要素を持ちながらも、友情や秘密が交錯するストーリー展開で観客を魅了します。舞台は小規模ながら、キャストは多才な演技を披露し、それぞれのキャラクターの個性が際立っています。

映画版も制作され、原作と同じく上田誠が脚本を担当。主演は長澤まさみで、映画では桜井を中心に物語が展開されます。舞台と異なり、桜井が主人公という新たな視点が追加されています。よって舞台版ファンも楽しめる内容となっています。

映画のあらすじ

映画版では、桜井が不運にも本物のエスパーたちが集まる喫茶店に辿り着く様子から幕が開きます。彼女は視聴者からの情報を基に、日本全国を奔走し続けますが、情報がインチキばかりなため苦悩します。最後の取材場所としてカフェを選んだ彼女は、そこでのパーティーを心待ちにしていましたが、招かれざる客としての到来が予想外の混乱を引き起こし、展開は一層複雑化します。

まとめ

『曲がれ!スプーン』は、超能力をテーマにしたシチュエーションコメディとして、観客に笑いを提供すると共に、個々のキャラクターが持つ特性や想いを通じて人間ドラマを描いています。その独特の設定や魅力的なキャラクターたちが、観客を引き込み、観る者それぞれのファンタジーを広げてくれる作品です。

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