月に寄りそう乙女の作法

月に寄りそう乙女の作法（つよりおとめ）

『月に寄りそう乙女の作法』(略称: つり乙) は、Navelが2012年に発売した18禁恋愛アドベンチャーゲーム。Navel設立10周年を飾る作品で、女装、お嬢様学園という要素を盛り込み、多くのファンを魅了しました。萌えゲーアワード2013大賞受賞。

2013年には続編『乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris-』、2014年には『月に寄りそう乙女の作法2』が発売。

PlayStation Vita版『月に寄りそう乙女の作法 〜ひだまりの日々〜』(2015年)、steam版(2022年)など、様々なプラットフォームで展開されています。

概要

本作は、Navelの15作目であり、設立10周年記念作品。オリジナル完全新作としては『SHUFFLE!』以来5作目となります。

2012年7月にタイトルなどが発表され、詳細な情報は『コンプティーク』2012年8月号で公開されました。

「つり乙」という略称は、ニコニコ生放送でのアンケートによって決定しています。

原画は、Navel設立メンバーの一人である鈴平ひろと西又葵が担当。シナリオは真紀士による大本のシナリオを元に、王雀孫、東ノ助、森林彬がNavelらしさを加えて制作されました。

当初は鈴平ひろ単独作品の予定でしたが、10周年記念作品として西又葵が後から参加。服飾の専門学校に通っていた東ノ助によって舞台が設定されるなど、制作過程で様々な要素が加えられています。

2012年10月にはLimited Editionが、12月には修正パッチが適用されたStandard Editionが発売されました。

2013年3月には、続編『乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris-』の制作が発表。ヒロイン4人と結ばれなかったバッドエンド後の物語で、舞台はパリとなります。

『乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris-』Limited Editionには、『月に寄りそう乙女の作法』の小倉朝日のフルボイス化と、各ヒロインとのアフターストーリーを追加するアペンドディスクが同梱。アフターストーリーは、ルナルート、ユーシェルート、衣遠ルートを東ノ助が、湊ルート、瑞穂ルートを森林彬が担当しています。

Navelは、『月に寄りそう乙女の作法』には特定の「正史」ルートは存在しないと公表しています。

2014年5月には、シリーズ3作目となる『月に寄りそう乙女の作法2』の制作が発表されました。本作は『つり乙』と同一の世界観で、ある程度未来の話が描かれます。

特徴

Navel作品では初の女装ものであり、西又葵は「今の社内からは絶対出てこない企画」と語っています。鈴平ひろの要望により、従来のNavel作品とは異なる塗り方が採用されています。

当初の企画はシリアスな内容でしたが、Navelらしさを出すために『SHUFFLE!』風のポップさが加えられ、プロローグは重い雰囲気ですが、本編は明るい作品となっています。

登場人物の名前は銀行名に由来しています。

女装・お嬢様学園ものとして人気を博し、Getchu.comの月間げっちゅ投票「このゲームはプレイしとけ!」で1位を獲得。美少女ゲーム大賞2012では、総合部門で5位、シナリオ部門で2位など、各部門で高い評価を得ています。萌えゲーアワード2013大賞を受賞。

ストーリー

大蔵遊星は、財閥の非嫡出子として海外で育ちました。兄・衣遠によって日本に連れ戻されますが、ファッションデザイナーとしての才能がないと判断され失意の日々を送ります。そんな中、憧れのジャン・ピエール・スタンレーが設立する「フィリア女学院」を知り、妹・りそなの協力を得て女装し入学を決意。学院で出会う様々な人々との交流を通して、遊星は自身の才能と向き合っていくことになります。

登場人物

小倉 朝日（こくら あさひ）/ 大蔵 遊星（おおくら ゆうせい）
本作の主人公。財閥の御曹司だが、身分を隠し女装して桜小路ルナのメイドとしてフィリア女学院に通う。
桜小路 ルナ（さくらこうじ るな）
メインヒロイン。没落した名門の令嬢で、天才的なデザインセンスを持つ実業家。朝日の主人。
柳ヶ瀬 湊（やながせ みなと）
遊星の幼馴染。庶民的な性格で、遊星に恋心を抱いている。
ユルシュール＝フルール＝ジャンメール
スイスからの留学生。名門貴族の娘で、ルナをライバル視している。
花之宮 瑞穂（はなのみや みずほ）
旧華族の娘。和裁の才能に長けているが、男性が苦手。
大蔵 里想奈（おおくら りそな）
遊星の妹。兄想いで、女装入学をサポートする。
大蔵 衣遠（おおくら いおん）
遊星の兄。若き天才ファッションデザイナー。

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