月亭文都 (7代目)

七代目月亭文都について

七代目月亭文都（つきてい ぶんと）は、1960年9月12日生まれの上方噺家です。彼は吉本興業に所属し、独自の個性で観客を惹きつけています。文都の出囃子は「楠公」で、時には「おかめ」にも替わる彼の独特なスタイルは多くの人に愛されています。本名は宮田健司で、かつては「月亭八天」としても知られていました。

来歴

大阪市中央区で育った月亭文都は、幼少の頃に聴いた笑福亭仁鶴のレコードがきっかけで落語に興味を持ちました。小学校の卒業文集では落語家になるという夢を明かしていますが、高校時代には音楽に熱中し、作詞作曲に取り組んでいます。大学ではライブハウスでの弾き語りを通じて音楽アーティストを目指しましたが、観客の関心を引くために落語の要素を取り入れていくことになります。これがきっかけとなり、再び落語家を目指すことになります。

彼は4年間の修行を経て、桂雀三郎のもとで多くの稽古を受けましたが、当初入門はかなわず、雀三郎の紹介で八方の弟子となりました。1986年に入門した際、「八天」という名は「発展」の意味と、当時の住まいに由来しています。

現在、彼の持ちネタは古典から新作まで250席以上にわたり、笛の演奏も得意とする本格派です。味わい深い芸風は繊細で、彼自身による落語会の自主プロデュースも行っています。

襲名と活動

2013年3月、月亭文都を襲名し、これまでに名乗った文都の名前は6人おり、以前6代目を名乗った立川文都の遺志を受け、7代目として新たな一歩を踏み出しました。名跡の復活は113年ぶり、また68年ぶりのことです。襲名披露公演はなんばグランド花月で行われました。

文都は、特に音楽的な才能を生かし、独演会のラストで歌を披露することもあります。1996年からは毎年ワッハ上方で独演会を開き、さらに「落語再生公開堂」などの新作落語イベントも手掛けています。2020年には文化庁芸術祭で優秀賞を受賞し、その実力が高く評価されています。

エピソード

内弟子時代には厳しい修行が待っていました。寝坊し、師匠の八方から破門の危機に直面するエピソードが特に有名です。この時、八方は怒り、厳しい教えを受けましたが、結果的には文都は許され、その後さらに成長を遂げます。文都を想う師匠の気持ちも伝わるエピソードで、師匠と弟子の関係の深さを物語っています。

文都は、段階的に多くの賞を受け、その活躍は衰えることがありません。弟弟子には月亭天使や月亭秀都がいます。彼の功績は、上方落語の未来を支える重要な存在です。

まとめ

七代目月亭文都は、昭和から続く上方落語の名手として、独特なスタイルで観客を楽しませています。彼の成長過程やエピソードは、落語界における一つのドラマとも言え、今後も多くのファンに愛され続けることでしょう。彼のさらなる活躍に期待が寄せられます。

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