月刊ファニー

月刊ファニーとは

『月刊ファニー』は、虫プロ商事から発行されていた日本の少女[[漫画]]雑誌です。1969年4月に『ファニー』として創刊されました。当初は月刊誌でしたが、同年11月からは隔週刊となり、翌年の休刊までに通巻20号が刊行されました。その後、1973年に『月刊ファニー』として再創刊されましたが、短期間で廃刊となりました。

創刊の背景

『ファニー』は、当時虫プロ商事から発行されていた漫画雑誌『COM』の姉妹誌として位置づけられていました。『COM』の読者層に女性が2割から3割程度いたことから、その層をターゲットとし、同時に『COM』で発掘した新人を育成する場としての役割も担っていました。創刊編集長には、『COM』編集長を務めていた山崎邦保氏が就任しました。

短命に終わった創刊号

創刊当初は、意欲的な新人育成の方針を掲げていましたが、売れ行きは芳しくありませんでした。また、創刊編集長の山崎氏が交通事故で急逝したことも、雑誌の運営に大きな影響を与えました。1970年5月には休刊となり、創刊からわずか1年ほどの短命に終わりました。編集者の一人は、当時を振り返り「やってることが2周ぐらい早かった」と語っています。また、『COM』の2代目編集長は、大御所作家と新人を混在させた編集方針や、『COM』という存在があったゆえに、マイナーな方向へ進んでしまったことを失敗の理由として挙げています。

再創刊と再びの終焉

1973年には、『月刊ファニー』として再創刊されました。「ファニーまんがカレッジ」を設け、新人作家の育成に再び力を入れましたが、同年8月に版元の虫プロ商事が倒産したため、同年9月号を最後に廃刊となりました。掲載作品は、すべて読み切り形式で、実験的な内容の作品も多く見られました。

関連書籍

『COMの青春 知られざる手塚治虫』（秋山満著、平凡社、1990年）には、『COM』と『ファニー』の編集部の内情が描かれています。この書籍では、山崎邦保編集長が川崎邦雄という変名で登場するなど、一部フィクションとして描かれている部分もありますが、当時の編集部の様子を知ることができます。

まとめ

『月刊ファニー』は、少女[[漫画]]界に新しい風を吹き込もうとした雑誌でしたが、編集方針の迷走や、版元の経営難によって、短期間でその歴史に幕を閉じました。しかし、その実験的な試みは、後世の漫画雑誌に影響を与えたとも言えるでしょう。

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