月刊マンガ・マン

月刊マンガ・マンの概要

『月刊マンガ・マン』は、昭和の初期に発行されていた日本の漫画雑誌であり、1929年8月1日に創刊されました。この雑誌の編集と発行は久保陽が手掛けており、発行元は東京漫画新聞社でした。主に『マンガマン』という略称で知られ、岡本一平や麻生豊、宮尾しげをらの著名な漫画家が寄稿したことで著名になりました。雑誌は、プロレタリア漫画の流行に対抗し、ナンセンス漫画を強く模索していたと言われています。

創刊と目的

創刊当初、久保陽は文藝春秋社に在籍していましたが、社主の菊池寛とのトラブルから独立し、独自の雑誌を立ち上げることになりました。プロ漫画を志向する一方で、内容にはアメリカのナンセンス漫画の影響が色濃く反映され、表現方法としては一枚物や連載形式の漫画、さらにはナンセンス小説も織り交ぜられました。このようにして、『月刊マンガ・マン』は当時の漫画界に新しい風を吹き込むことを目指していたのです。

廃刊までの活動

残念ながら、1931年6月6日の発行をもって、同誌は通巻第23号を最後に幕を閉じることとなります。短い活動期間であったにもかかわらず、当時の漫画界に与えた影響は大きく、特に漫画投稿欄の充実度が際立っていました。この投稿欄を通じて、当時の有名な漫画家である岡本一平から推薦を受けた新人たちが多くデビューしました。

新人漫画家の育成

『月刊マンガ・マン』では、初心者へのサポートも積極的に行われていました。特に、近藤日出造と矢崎茂四が努力を重ね、投稿者と定期的な懇談会やデッサン会を開くことで、新人漫画家の育成に力を入れました。この活動が後に「新漫画派集団」として結実し、横山隆一や吉田貫三郎などの才能ある漫画家たちが育成されました。

後の影響

1932年には、「新漫画派集団」が正式に結成され、そのメンバーには『マンガマン』で活動していた多くの漫画家が名を連ねました。このグループは日本の漫画文化において重要な役割を果たし、その後の発展に繋がったと言えるでしょう。

さらに遡ると、1987年には『マンガマン』の主要ページを抜粋して復刻された出版物が登場し、当時の漫画界の様子を知る貴重な資料となっています。この復刻本には雑誌の全23号の中から選ばれた内容が含まれ、詳細な年表を伴っています。

まとめ

『月刊マンガ・マン』は昭和初期の日本において、短いながらも無視できない影響を持ちました。その活動は漫画界の発展に寄与し、その背景には多くの才能ある漫画家たちの努力があったことを忘れてはなりません。

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