月舟寿桂

月舟寿桂（げっしゅうじゅけい）

月舟寿桂は、室町時代後期から戦国時代前期にかけて活躍した臨済宗の僧侶です。文明2年（1470年）に近江国で生まれ、天文2年12月8日（1533年12月23日）に亡くなりました。諱は寿桂、字は月舟、号は幻雲・中孚道人です。

生涯

月舟寿桂は、近江国磯野の楞厳寺にいた幻住派の僧侶、正中祥瑞に師事し、その法脈を継承しました。その後、越前の戦国大名である朝倉氏に招かれ、善応寺や弘祥寺に住みました。明応年間には、戦乱を避けて丹波国の願勝寺に移りました。

この間、京都に出て五山の禅僧たちと交流し、その文名を知られるようになりました。永正7年（1510年）には、建仁寺の住持（264世）に任ぜられ、京都に移り住みました。その後、南禅寺の住持も務めました。晩年は建仁寺に戻り、境内に一華軒を建てて文学に親しみ、静かに余生を送りました。

業績

月舟寿桂は、禅宗の教えを深く理解し、その思想を広く伝えました。また、文学にも才能を発揮し、多くの著作を残しました。

代表的な著作としては、『幻雲文集』、『幻雲詩集』、『幻雲疎稿』、『月舟和尚語録』、『師子吼集』、『続錦繍段』などがあります。これらの著作は、当時の禅宗文化や文学を研究する上で貴重な資料となっています。

参考文献

桜井景雄「月舟寿桂」（『国史大辞典 5』吉川弘文館、1985年）
今枝愛真「月舟寿桂」（『日本史大事典 2』平凡社、1993年）

関連事項

* 五山文学

月舟寿桂は、その生涯を通じて禅の道を探求し、多くの人々に影響を与えました。彼の思想と文学は、現代においてもなお、多くの人々を魅了し続けています。

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