月見橋 (富士川)

月見橋の概要

月見橋（つきみはし）は、山梨県の西八代郡市川三郷町と南巨摩郡身延町を結ぶ重要な交通路で、富士川に架かるトラス橋です。この橋は山梨県道403号甲斐岩間停車場西島線の一部であり、正確には鋼製の2径間連続下路トラス構造を持ち、全長は156.4メートル、幅は7メートルとなっています。

橋の特徴

月見橋は活荷重が1等橋（TL-20）に分類され、設計が非常に堅牢であることが特長です。支間割は77.4メートルと78メートルで配分されており、圧力を均等に分散する設計になっています。橋の幅は車道が7メートル、歩道が片側2メートルずつ設けられており、歩行者の安全も考慮されています。また、床版は鉄筋コンクリートで作られ、総鋼重量は615.027トンという大規模な構造です。月見橋の施工にはトピー工業、日本鋼管、松尾橋梁が関与し、トラッククレーン・ベント工法やケーブルクレーン架設桁工法が用いられています。

歴史的背景

月見橋が架けられる以前には、「岩崎の渡し」と呼ばれる渡し舟が運行されており、地域の交通手段として利用されていました。しかし、明治時代以降、洪水や強風の影響でこの渡し舟は通行不便となり、橋の必要性が高まりました。1927年に西島村、楠甫村、岩間村の人々が集まり、道路組合を設立し、県の承認を得て本格的な橋の建設に向けた動きが始まりました。1930年に初代の橋が完成し、これは富士川に架かる初の永久トラス橋でした。

その後、この橋は昭和12年に「観月橋碑」が建立されるなど地域のシンボル的存在となり、さらに富士山の眺望スポットとしても知られるようになりました。しかし、時間の経過とともに老朽化が進み、昭和50年代には新たに峡南橋が架かることになりました。現在の月見橋は1984年に架け替えられ、近代的な設計によって新たに生まれ変わりました。

月見橋の役割

月見橋は単なる交通手段としての役割だけでなく、周囲の美しい自然や歴史的文化的背景を持つ地域においても重要なランドマークとなっています。この橋を通過することで、地域住民や観光客は美しい富士山や川の景観を楽しむことができます。月見橋は、その設計や構造、そして歴史的価値からも多くの人々に親しまれ、今後もひとつの観光名所としての役割を果たしていくことでしょう。

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