有元正雄

有元正雄：近世日本の社会構造を解明した歴史学者

有元正雄（ありもと まさお、1930年2月13日 - 2024年1月14日）は、日本の歴史学者であり、広島大学の名誉教授を務めました。彼の研究は、地租改正、宗教社会史、近世被差別民史など、多岐にわたり、日本の歴史学研究に大きな貢献をしました。

生涯

有元正雄は岡山県で生まれ、1953年に広島文理科大学史学科を卒業しました。その後、研究者としての道を歩み始め、1971年には「地租改正と農民闘争」というテーマで広島大学から文学博士号を取得しました。教育者としては、岡山朝日高等学校教諭、広島修道大学助教授を経て、広島大学教授に就任しました。1998年に広島大学を定年退官し、名誉教授となりました。退官後は、広島経済大学教授として教鞭を執り、2005年に退職しました。

研究内容

有元正雄の研究は、近世日本の社会構造を多角的に捉えようとするものでした。特に、地租改正が農民に与えた影響や、真宗の宗教社会史、近世被差別民史などの分野で、数多くの業績を残しました。

地租改正と農民闘争: 明治時代に行われた地租改正が、農民の生活や社会にどのような影響を与えたのかを詳細に分析しました。
宗教社会史: 真宗の門徒の信仰や生活に焦点を当て、宗教が社会に果たす役割を考察しました。
近世被差別民史: 近世における被差別民の歴史を研究し、その実態や社会構造の中での位置づけを明らかにしました。

著書

有元正雄は、数多くの著書や論文を発表しました。以下に主な著書を挙げます。

『地租改正と農民闘争』 新生社、1968年
『真宗の宗教社会史』 吉川弘文館、1995年
『宗教社会史の構想 真宗門徒の信仰と生活』 吉川弘文館、1997年
『近世日本の宗教社会史』 吉川弘文館、2002年
『近世被差別民史の東と西』 清文堂出版、2009年

これらの著書は、彼の研究成果を集大成したものであり、日本の歴史学研究において重要な貢献をしています。

業績

有元正雄の業績は、日本の歴史学研究に大きな影響を与えました。彼の研究は、社会経済史、宗教史、民衆史など、様々な分野の研究者から高く評価されています。また、教育者としても多くの人材を育成し、日本の歴史学の発展に貢献しました。

参考文献

* 有元正雄教授 写真・略歴・業績 (有元正雄教授退任記念号) 広島経済大学経済研究論集 2005-12

有元正雄は、2024年1月14日に逝去されましたが、彼の研究は今後も日本の歴史学研究に大きな影響を与え続けるでしょう。

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