有坂道子

有坂道子氏は、1969年4月生まれの日本の歴史学者であり、日本近世史を専門としています。特に近世大坂における知識人社会の研究に力を入れており、京都橘大学文学部の准教授を務めています。彼女の父は、関西大学名誉教授の有坂隆道氏です。

略歴

1992年：京都府立大学文学部を卒業
1997年：京都大学大学院文学研究科博士課程を単位取得退学。同年、日本学術振興会特別研究員となる
1998年：京都大学大学院文学研究科助手
2001年：京都橘女子大学文学部講師
2007年：京都橘大学文学部准教授

研究内容

有坂氏の研究は、近世大坂における知識人社会の構造と活動、そして彼らが社会に与えた影響を明らかにすることを目的としています。当時の大坂は、経済の中心地としてだけでなく、文化の発信地としても重要な役割を果たしていました。彼女は、大坂の知識人たちが、どのようなネットワークを形成し、どのような思想や文化を創造し、それが社会にどのように受容されていったのかを、詳細に分析しています。

彼女の研究手法は、文献史学に基づいています。古文書や記録を丹念に読み解き、当時の社会状況や人々の意識を復元しようと試みています。また、彼女は、単に文献を分析するだけでなく、フィールドワークも重視しています。大坂の街を歩き、当時の面影を探し、地元の人々との交流を通じて、歴史の息吹を感じ取ろうとしています。

著書

『京都大学文学部日本史研究室関係日記目録』（藤井譲治と共編）京都大学大学院文学研究科、2001年
『影写本『前田家所蔵文書』目録』（藤井譲治と共編）京都大学大学院文学研究科、2002年
『身分的周縁と近世社会5　知識と学問をになう人びと』（共著）吉川弘文館、2007

これらの著書からもわかるように、有坂氏の研究は、日本近世史研究において重要な貢献をしています。彼女の緻密な分析と考察は、近世日本の社会と文化に対する理解を深める上で、欠かすことのできないものです。今後の研究活動にも、大きな期待が寄せられています。

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