有坂隆祐

有坂 隆祐（ありさか りゅうすけ）

有坂隆祐は1917年9月15日に東京で生まれ、1996年11月27日に亡くなった日本のフィギュアスケート選手および指導者です。彼は戦前から戦後にかけて日本フィギュアスケートの発展に大きく貢献しました。特に全日本選手権では5度の優勝を果たし、その卓越した技術と演技力で多くのファンを魅了しました。彼の学歴は明治大学で、同大学在学中から競技を本格的に開始しました。

経歴

幼少期は北海道札幌市で過ごし、小学校4年生の時にスケートを始めました。札幌商業学校に入学後、アイスホッケーからフィギュアスケートに転向。北海中学に進学し、有望選手として注目されるようになります。1935年には明治大学に進学し、同年の全日本フィギュアスケートジュニア選手権で優勝しましたが、翌年には不幸にも右足首を骨折してしまいます。しかし、その後の努力で復活し、1939-1940年シーズンには全日本選手権で初の優勝を果たすことに成功。戦時中の中断を挟みながらも、全日本選手権で4連覇を達成し、1950-1951シーズンには5度目の優勝を果たしました。

1940年に予定されていた札幌オリンピックでは、有力候補の一人として期待されていましたが、日本がオリンピックの開催を返上したため、その夢は叶いませんでした。1951年には、稲田悦子とともに世界フィギュアスケート選手権に出場しましたが、結果は11位と残念ながら最下位に終わりました。その後、帰国してプロに転向し、1952年には片山敏一や加藤禮子らと共に日本初のアイスショーを開催しました。

指導者としての活動

競技を引退した後、有坂はコーチとして後進の指導に尽力しました。特に、福原美和や杉田秀男といった選手に教えを授け、日本スケート連盟のフィギュア部全国委員としても活動しました。また、入門書も執筆し、フィギュアスケートの普及にも貢献しました。

主な戦績

• - 全日本選手権優勝（5回）
• - 世界フィギュアスケート選手権出場（15年ぶりの日本人選手）

著作

彼の著書には、『フィギュア・スケート入門』（万有社、1953年）、『ポピュラー・スケーティング　やさしいスケートの入門書』（楡書房、1956年）、そして北海道新聞社編の『冬のスポーツ』（1981年）などがあります。これらの著作を通じて、フィギュアスケートへの理解が深まることを願っていました。

参考文献

彼の功績や活動は、日置昌一の「ものしり事典 芸能娯楽編」や、読売新聞社の「新・人物風土記 第3巻」、そして「毎日グラフ」などの資料によっても語られています。また、講談社の『日本人名大辞典』にも彼の名前が記載されています。

有坂隆祐は、競技者としてだけでなく、指導者としても日本のフィギュアスケート界に多大な影響を与えた人物として、その業績が今もなお評価されています。

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