有害番組

有害番組とは

有害番組（ゆうがいばんぐみ）とは、一般的に猥褻な表現や暴力的な内容が含まれ、青少年の健全な育成に悪影響を及ぼすとされるテレビ番組のことを指します。この概念は、特に視聴者、特に子どもたちに対する影響を考慮する際に重要なものであり、放送内容に対する批判の根拠となっています。

欧米における研究

欧米では、子どもとテレビの関係について早い段階から多くの研究が行われてきました。例えば、1930年に実施されたペイン基金の研究や、1955年のエレーナ・マッコビーとライリー夫妻による研究が挙げられます。これらの研究は、テレビの視聴が子どもたちの行動や思考に与える影響を評価し、特定の表現がもたらす危険性について重要な知見を提供しています。

日本における状況

日本においても、保護者団体やPTAなどが特定のテレビ番組を「有害番組」とみなし、その内容に対して放送事業者や放送倫理・番組向上機構（BPO）に抗議や苦情を申し立てることが頻繁にあります。例えば、2002年には東京都青少年教育審議会がNHKの『真剣10代しゃべり場』を有害番組に指定したという事例が存在します。このような制度や動きは、視聴者や子どもたちを有害な影響から守ろうとする意図が背景にあります。

岡山県では1977年に有害放送指定制度を導入する試みがありましたが、地元のマスコミからの反対により、その実施は見送られました。このような動きは、視聴内容に対する規制が言論の自由を損なう可能性があるという懸念も引き起こします。

放送倫理・番組向上機構の役割

放送倫理・番組向上機構では、世間から苦情が寄せられる番組について、青少年委員会が内容を精査します。この委員会では、青少年に対して悪影響を与える可能性があると判断された場合、改善が難しいと評価した内容に関して番組名を挙げて注意を促します。過去には、2000年11月に放送されたフジテレビの『めちゃ2イケてるッ!』やテレビ朝日の『おネプ!』の一部コーナーで、暴力や猥褻表現が問題視され、その結果、放送事業者は問題が指摘されたコーナーを中止しました。

ただし、放送倫理・番組向上機構が特定の番組を「有害番組」と表現したことはなく、具体的な名称が挙げられることは少ないです。また、特に問題視されている具体的な事例として、野島伸司が制作に関与した番組は、暴力表現や弱者を軽視した演出があることから、しばしば批判の対象となっており、日本PTA全国協議会でも問題作品として取り上げられることがあります。

結論

有害番組の問題は、単に表現内容に留まらず、青少年の社会的成長や教育にも深く関係しています。この問題を理解することは、放送業界、保護者、教育者、さらには子どもたち自身にとって非常に重要です。メディアと子どもたちの関係を考えるうえで、有害番組によって引き起こされる影響をしっかりと見極め、適切な対策を講じていく必要があります。

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