有心論

RADWIMPS「有心論」解説

「有心論」は、RADWIMPSが2006年7月26日にリリースしたメジャー4作目のシングルです。印象的なタイトルは「有神論」をもじったもので、神を信じるのではなく「自分の心を信じる」という、ボーカル野田洋次郎の心情が込められています。

楽曲について

歌詞に登場する「僕」「君」「愛した人」は、それぞれ異なる側面を表しています。「僕」は後ろ向きな考えに囚われがちな自分、「君」はそれでも前向きに愛を求める自分自身を象徴しており、この二つの人格が葛藤しながらも共存している様子が描かれています。この二つの人格は「地球」という丸みを帯びた形の中で共存し、バランスを取ることで「命」が作られていると表現されています。

人生には辛い時期もありますが、「君」は常に「どうせ命はいつか終わるのだから、最後まで生きよう」と「僕」を励まします。心が平穏な時には「僕」も「君」も存在を意識しませんが、ふとしたきっかけで「僕」が現れると、必ず「君」が現れて助けてくれる。野田にとって、誰よりも自分自身を愛してくれる「君」こそが信じられる存在なのです。

ミュージックビデオ

ミュージックビデオは須藤カンジが監督を務めました。「3分前の僕がまた顔を出す」という歌詞に合わせて、映像が3分巻き戻るというギミックが使われています。これにより、同じ野田洋次郎が歌う姿が、時間軸を超えて同時に画面に現れるというユニークな表現が実現しています。

カバーとCM起用

「有心論」は、2010年にBank Bandのアルバム『沿志奏逢3』でカバーされました。また、2019年にはKIRIN淡麗グリーンラベルのCMソングとして起用され、野田洋次郎がアコースティックギターで弾き語る姿が公開され、大きな話題を呼びました。

その他の情報

カップリング曲の「ジェニファー山田さん」は、味噌汁'sのデビュー曲とされています。歌詞の一部に自主規制音が使用されている点が特徴的でしたが、後のアルバム『ME SO SHE LOOSE』に再録版が収録された際、規制音は解除されました。

タイアップ

CBCテレビ『IMPACT』2006年8月度エンディングテーマ
KIRIN「淡麗グリーンラベル GREEN JUKEBOX 心編」CMソング

参加ミュージシャン

RADWIMPS

野田洋次郎 - Vocal & Guitar
桑原彰 - Guitar & Chorus
武田祐介 - Bass & Chorus
山口智史 - Drums & Chorus

味噌汁’s

ジョン - Vocal
ポール - Guitar & Chorus
マッカー - Drums & Chorus
トニー - Bass & Chorus

「有心論」は、RADWIMPSの代表曲の一つとして、多くの人々に愛され続けています。自己の内面と向き合い、葛藤を乗り越えようとするメッセージは、聴く人の心に深く響くでしょう。

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