有明車両基地

有明車両基地（ありあけしゃりょうきち）

概要

有明車両基地は、東京臨海新交通臨海線（ゆりかもめ）を運行する株式会社ゆりかもめが所有する、車両の保管、検査、整備を担う重要な施設です。東京都江東区有明三丁目に位置しており、ゆりかもめ線有明駅のすぐ南側に広がっています。地理的には東京ビッグサイト駅が最も近い場所にあります。

この基地の敷地内には、列車運行の管理を担う中央管理棟や、保守用車両のための車庫、さらには株式会社ゆりかもめの本社も置かれており、まさにゆりかもめ全体の運営を支える中枢としての役割を果たしています。車両の維持管理においては、日常的な列車検査から、月ごとに行われる月検査、さらに大規模な分解点検である重要部検査や全般検査まで、多岐にわたる各種検査がここで実施されています。環境への配慮として、近隣の有明水再生センターで処理された水の一部が再利用され、車両洗浄に活用されているのも特徴です。

構内と設備

有明車両基地への車両の出入りは、有明駅から分岐する単線の出入庫線を介して行われます。車両は高架線から西側を大きく回り込むような形で地上に降り立ち、基地へと進入します。出入庫線は基地の入口手前で単線から複線に分岐し、プラットホームのような形状をした「出入庫点検台」に到着します。この点検台は、自動運転を行ってきた車両が、基地内での手動運転へと切り替えを行う重要な地点です。

基地の構内では、安全確保のため、係員による手動での運転が実施され、車両の速度は時速15キロメートル以下に制限されています。出庫する際には、係員が出入庫点検台から各留置線へ移動するために、跨線橋のような連絡通路を利用します。構内は機能別にエリア分けされており、東側には車両の留置や洗浄を行うための施設が配置されています。具体的には、車両の試験走行に使用する試走線が1本、そして最大で26編成（1線あたり2編成）を留置できる留置線が13本設けられています。また、車両の洗浄を行う洗浄線が2本あり、こちらでも1線あたり2編成の留置が可能で、手作業による洗浄のための設備（手洗浄台）も設置されています。洗浄線の入口には、車両洗浄装置が1基備えられています。

検修機能

基地の北側に位置する検修棟は、試走線や留置線側から折り返す形で接続されており、車両の検査・整備の中心となります。この棟内には、月検査のための線が2本、列車検査のための線が2本、そして最も分解度の高い重要部検査や全般検査を行うための線が1本配置されています。検修棟の内部はピット構造となっており、車両の下部からの点検や作業を効率的に行えるようになっています。

特に、重要部検査や全般検査といった高度な技術を要する大規模な検査については、専門的な技術を持つ協力会社に委託されています。車体の検査・整備は京王重機整備株式会社に、台車の検査・整備は明希工業株式会社にそれぞれ委託されており、外部の専門家の知見と技術も活用することで、車両の安全運行が確保されています。

配置車両

2025年現在、有明車両基地には以下のゆりかもめ車両が配置されています。

7300系: 6両編成が18本、合計108両が在籍しています。
7500系: 6両編成が8本、合計48両が在籍しています。

これらの車両が、この基地を拠点として、日々の運行を支えています。

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