服制

服制

服制とは、衣服に関する制度・規則を指します。歴史的に、身分や階級を衣服によって区別する目的で使用されてきました。

日本の服制

日本の令制においては、身分や位階に応じて特定の色が割り当てられていました。これを「当色」といいます。例えば、冠位十二階などがその例です。

江戸時代には、奢侈禁止令（贅沢禁止令）により、庶民が着用できる服の素材や色に制限が設けられました。具体的には、木綿と麻のみが使用でき、色は茶色、鼠色、藍色に限られました。しかし、庶民は「四十八茶百鼠」と呼ばれる制限された色の中でバリエーションを生み出し、おしゃれを楽しみました。

また、軽犯罪法第1条15号では、資格がない者が警察などの制服を着用することを禁じています。

中国の服制

中国では、役人が公務中に着用する公服の色が階級によって分けられていました。この色分けは時代とともに変遷しています。

605年：5品以上の官吏は赤色または紫色を着用可能。
610年：5品以上は紫色、6-9品は緋色・緑色を兼用、小吏は青色、庶民は白色、屠畜業者・商人は黒色、兵士は黄色と定められました。
621年：3品以上は紫色、4-5品は朱色、6-9品・小吏・庶民は黄色と定められました。

唐の武徳年間（618年 - 626年）の初めには、黄色が皇帝専用の色となり、庶民が着用することが禁じられました。庶民は藍色、白、黒などの単色に制限され、白衣は平民の代名詞となりました。文様も階級を表すために用いられ、竜は皇帝のみが使用できました。文官は鳥類、武官は獣で分類され、それぞれの動物の種類によってさらに階級が区別されました。

補服

官吏の礼服である補服には、階級を示す「補子」と呼ばれる記章が胸と背に付けられていました。

明律

明の時代の法律では、上位の階級に似た服を着用した場合の罰則が定められていました。庶民が着用した場合は50回、役人の場合は100回の鞭打ち刑が科せられました。また、竜の文様をみだりに使用した場合は極刑に処される可能性がありました。

関連項目

服飾史
ファッション
服装規定（ドレスコード）

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