朝倉勇

朝倉勇（あさくら いさむ）は、1931年2月6日に東京都で生まれ、2023年6月17日にその生涯を閉じました。彼は、コピーライター、詩人、そして童話作家として多岐にわたる分野で活躍した人物です。

生い立ちとキャリア

静岡県立静岡中学校に入学した朝倉は、1960年1月に米国海軍戸塚無線送信所の技術者から、ライトパブリシティへと転職し、コピーライターとしてのキャリアをスタートさせました。1975年には、マグナの代表取締役副社長に就任。その後、1991年からはフリーランスとして活動しました。彼の広告作品は、ヤマハ、サッポロビール、キヤノン、ヤマト運輸など、数々の著名な企業で採用され、その才能は広く認められました。

特に注目されるのは、2011年に小学5年生の国語教科書に『コピーライター』という教材で取り上げられたことです。また、1971年の毎日新聞創刊100年記念公共福祉広告「さようなら、人類。」は、彼の代表作として知られています。

詩人、そして童話作家として

若い頃から、コピーライターとしてだけでなく、詩人としてもその名を知られていた朝倉ですが、74歳で初めて童話を手がけました。2006年には、童話作品『ポールと小鳥』を発表。この作品は、本人の希望により安野光雅が装幀を担当しました。この作品は、彼の新たな才能を開花させたものとして高く評価されています。

朝倉は、日本ペンクラブ会員、日本現代詩人会会員、ドリームデザイン顧問など、多くの団体にも所属し、NPO PLANT A TREE PLANT LOVEの理事、一般財団法人知恵の継承研究所の理事も務めるなど、社会活動にも積極的に関わっていました。

著作一覧

朝倉の著作は多岐にわたります。以下に主な作品を列挙します。

『朝』 (2021.5)
『タピーロとタピーラ : タピラス村のなかまたち』（2010.4）
『散骨の場所』 (2008.2)
『ポールと小鳥』 (2006.2)
『女のひとと鳥 : 詩画集』 (2005.9)
『みてみたいみたい』 (2004.7)
『みてみたいみたい : 詩集』 (2003.5)
『田園スケッチ : 頭のよくないクマのプーさんと友だちになることの幸せ : 詩集』 (1998.11)
『鳥の歌 : 詩集』 (1994.8)
『神田川を地下鉄丸の内線電車が渡るとき : 詩集』 (1980)
『鬼の虫 : 詩集』 (1975.1)
『十月の幕 : 詩集』 (1971.1)
『掟 : 詩集』 (1960.1)

また、編著として『黒田三郎詩集』(2002.4)も手掛けています。

受賞歴

朝倉勇は、数々の賞を受賞しています。主なものとして

『鳥の歌』で第4回（平成7年度）丸山豊記念現代詩賞
TCCホール・オブ・フェイム 2010年
『掟』で第1回ユリイカ新人賞佳作第一席
東京コピーライターズクラブ第１回新人賞
広告電通賞多数

などが挙げられます。また、詩集『みてみたいみたい』（土井晩翠賞）、詩集『散骨の場所』（三好達治賞）でも、それぞれ最終候補に上りました。

まとめ

朝倉勇は、コピーライターとしての卓越した才能に加え、詩人、童話作家としても独自の感性を発揮しました。彼の作品は、多くの人々に感動と影響を与え、その功績は今もなお語り継がれています。

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