朝倉彰

朝倉彰について

朝倉彰氏は、1958年6月30日に東京で生まれ、日本の海洋生物学を牽引する研究者の一人です。特に甲殻類の研究において、国際的にも高い評価を受けています。京都大学名誉教授であり、長年にわたり教育・研究に携わってきました。

学歴と職歴

1981年に横浜国立大学教育学部を卒業後、1984年には九州大学大学院理学研究科生物学専攻の修士課程を修了しました。さらに、1987年には同大学院の博士課程を修了し、理学博士の学位を取得しています。

研究者としてのキャリアは、1988年に千葉県教育庁文化課中央博準備室主任技師としてスタートしました。その後、1989年には千葉県立中央博物館の動物科学芸研究員、横浜国立大学教育学部の非常勤講師を兼任しました。1998年には千葉県立中央博物館の上席研究員に昇進し、研究活動を続けました。

2010年には神戸大学大学院理学研究科生物学専攻の教授に就任し、同時に国際甲殻類学会（The Crustacean Society）の会長も務めました。2011年には日本甲殻類学会の会長にも選出され、国内外の甲殻類研究をリードする存在となりました。2012年には京都大学フィールド科学教育研究センターの教授として着任し、京都大学瀬戸臨海実験所長、京都大学白浜水族館館長も兼務しました。2021年には京都大学フィールド科学教育研究センター長、京都大学教育研究評議会評議員に就任し、大学運営にも貢献しました。

2024年には京都大学名誉教授となり、現在は京都大学フィールド科学教育研究センター海洋生態系部門基礎海洋生物学分野・瀬戸臨海実験所特任教授、京都大学フィールド科学教育研究センター研究員として、研究活動を継続しています。

主な業績

朝倉氏は、甲殻類を中心とした海洋生物の分類、生態、進化に関する研究で多くの成果を上げています。特に、カニやエビなどの甲殻類の多様性や、それらが海洋生態系で果たす役割についての知見を深めてきました。また、フィールドワークを重視し、国内外の様々な海域での調査活動を通じて、多くの新種を発見・記載しています。

国際的な学会での活動も活発で、国際甲殻類学会の会長を務めたほか、多くの国際会議で講演や研究発表を行っています。国内外の研究者との共同研究も積極的に行い、海洋生物学の発展に大きく貢献しています。

著書

朝倉氏は、研究活動の傍ら、多くの著書や論文を発表しています。主な著書には、以下のものがあります。

『Biological Expedition to the Northern Mariana Islands, Micronesia』（共編著、1994年）
『北マリアナ探検航海記』（編著、1995年）
『甲殻類学 : エビ・カニとその仲間の世界』（編著、2003年）
『Biology of Anomura II, Proceedings of the Symposium』（編著、2006年）
『New Frontiers in Crustacean Biology』（編著、2011年）
『潮間帯の生態学』（翻訳、1999年）

これらの著書は、専門家だけでなく、一般の読者にとっても、甲殻類をはじめとする海洋生物の世界への理解を深める上で貴重な資料となっています。

まとめ

朝倉彰氏は、日本の海洋生物学、特に甲殻類研究において重要な役割を果たしてきた研究者です。教育者としても多くの学生を育成し、国内外の海洋生物学の発展に大きく貢献しました。その研究成果は、今後の海洋生物学の研究においても重要な基盤となるでしょう。

もう一度検索