朝倉響子

朝倉響子：彫刻家としての軌跡

朝倉響子（1925年12月9日-2016年5月30日）は、日本の彫刻界に重要な足跡を残した女性彫刻家です。著名な彫刻家、朝倉文夫を父に持ち、東京で生まれました。姉は舞台美術家であり画家の朝倉摂です。

活躍の軌跡

響子の芸術家としてのキャリアは輝かしいものでした。1948年には日展で特選を受賞し、その才能を早くから開花させました。しかし、1956年には日展を脱退。その後も精力的に創作活動を続け、1979年には第7回長野県野外彫刻賞を受賞、1982年には中原悌二郎賞優秀賞を受賞するなど、数々の賞に輝きました。

多彩な個展

響子は、東京や大阪、山形など各地で個展を開催し、その作品を発表してきました。代表的な個展会場には、文藝春秋ギャラリー、高島屋、ギャラリー・キューブ、ギャラリー・ユニバース、渋谷PARCO、現代彫刻センター、朝倉文夫記念館、北九州市立美術館、上野の森美術館ギャラリーなどがあります。特にギャラリー・ユニバースでは、1970年から1981年にかけて複数回個展を開催しています。これらの個展を通して、彼女の作品は多くの人々の目に触れ、高く評価されました。

公共空間を彩る彫刻の数々

朝倉響子の作品は、多くの公共施設や公園に設置され、人々の生活に潤いを与えています。北海道の新千歳空港にある『ANNE』、宮城県仙台市西公園の『ふたり』、秋田県立近代美術館の『ローリー』、東京都庁の『MARI』、東京芸術劇場の『マリとシェリー』など、その作品は多岐に渡り、それぞれの場所に合わせた表現で人々を魅了しています。その他、東京都内を始め、神奈川県、埼玉県、千葉県、富山県、愛知県など、日本各地で彼女の彫刻を見ることができます。

彼女の作品は、空港や美術館といった公共の場だけでなく、駅、病院、オフィスビル、公園など、様々な場所で人々に出会えるように配置されています。例えば、東京都の町田駅には『Woman』、府中市役所には『CONNECTION』、新宿ミロードには『ジョセリン』、そして、東京都立中央図書館には『晨』が設置されています。これらの作品は、人々の日常に溶け込み、静かに存在感を放っています。

作品集

響子の作品は、写真集としても記録されています。『朝倉響子彫塑集 光と波と』（写真：奈良原一高、PARCO出版、1980年）と『Kyoko』（写真：安斎重男、PARCO出版、1985年）の2冊の作品集が出版されており、彼女の彫刻の魅力を多角的に捉えることができます。

まとめ

朝倉響子は、父である朝倉文夫の影響を受けながらも、独自の芸術性を確立し、日本の彫刻界に大きな貢献を果たした女性彫刻家です。数々の受賞歴、精力的な個展開催、そして公共空間を彩る多くの作品群は、彼女の芸術家としての情熱と才能を雄弁に物語っています。彼女の作品は、時代を超えて人々の心を捉え続け、これからも多くの人々に感動を与え続けることでしょう。

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