朝木明代市議転落死事件

朝木明代市議転落死事件とは

1995年9月1日、東村山市議会議員であった朝木明代氏が、東村山駅前のロックケープビルから転落死した事件です。警察は自殺と断定しましたが、朝木氏が創価学会の脱会者救済活動を行っていたことや、市議会で創価学会・公明党を追及していたことから、創価学会による関与が疑われ、大きな議論を呼びました。

事件の経緯

事件当日、朝木氏は矢野穂積氏と共に都議会事務局へ陳情書を提出し、その後弁護士との面会などを経て事務所に戻りました。夜には、事務所に電話をかけ「気分が悪いので休む」と伝えています。その数時間後、ビルの裏で倒れているのが発見され、病院に搬送されましたが死亡が確認されました。

事件当日の朝木氏の行動

12時30分：矢野氏と共に事務所を出発
13時30分：都議会事務局へ陳情書を提出
15時：入院中の弁護士と面会
19時5分前：矢野氏、朝木氏、事務所に到着
21時19分：自宅から事務所へ電話
22時頃：ビルの裏で倒れているのが発見

捜査と発表

警察は、朝木氏の身長から手すりを越えられること、手すりに掴まった跡があること、発見時に救急車を拒否したこと、争った形跡がないことなどを理由に自殺と断定しました。東京地検も同様の理由で自殺と判断しました。しかし、遺族や支援者らは、遺書がないこと、事務所が整理されていないこと、事件前から嫌がらせや脅迫があったことなどを根拠に、他殺説を主張しました。

他殺説と創価学会の関与

矢野穂積氏らは、朝木氏が創価学会を批判していたこと、脱会者の救済をしていたことなどから、創価学会による謀殺であると主張しました。この主張はマスコミにも取り上げられ、週刊誌などで報道されました。自民党や共産党も、事件の捜査に疑問を呈し、国会で質問を行いました。

裁判所の判断

転落死をめぐる名誉毀損裁判では、「自殺」説を認定する内容、「自殺」説「他殺」説をともに否定する内容、「自殺」説の相当性を認める内容が含まれていますが、判決の中で「他殺」説を認定したものは一度もありません。朝木明代の死因は警察・検察の捜査結果によれば自殺のままであり、再捜査は行われていません。

名誉毀損訴訟

創価学会は、謀殺疑惑を報じた週刊誌や新聞社を名誉毀損で提訴し、勝訴しました。一方、矢野穂積氏らも、万引き事件やアリバイ工作、自殺を主張する記事を名誉毀損で提訴しましたが、いずれも請求は棄却されました。

救急隊訴訟

朝木直子氏は、救急隊の処置が不適切であったとして、東京都を提訴しましたが、請求は棄却されました。

事件の真相

朝木明代市議転落死事件は、自殺として処理されたものの、多くの謎と疑惑が残る事件です。創価学会との関係、事件の不審な点などから、他殺説も根強く存在します。真相の解明が待たれる事件と言えるでしょう。

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