朝鮮労働党中央委員会本部庁舎

朝鮮労働党中央委員会本部庁舎

朝鮮労働党中央委員会本部庁舎は、北朝鮮の支配政党である朝鮮労働党の中央委員会が設置されている重要な施設です。この庁舎は平壌市中区域の蒼光洞に位置しており、国内外での政治活動の中心的な役割を果たしています。

呼称と所在地

北朝鮮内ではこの庁舎を「朝鮮労働党1号庁舎」と称します。一方、韓国では「労働党本部庁舎」や「労働党本館」と呼ばれており、メディアを通じて広く知られています。庁舎内の「1号」という表現は、北朝鮮の最高指導者である金正恩に由来し、その特別な地位を示すものとされています。

歴史的経緯

この庁舎は、金正恩の父である金正日の時代から、外部に公開されることはありませんでした。主に朝鮮労働党中央委員会の重要な会議や政治局会議、さらには党中央軍事委員会の会議など、党内の決定を行う場として使用されてきました。

しかし、2018年3月に韓国の文在寅大統領が派遣した特使団が金正恩と会談した際に、初めて外部に公開されました。この公開以降、アメリカの国務長官マイク・ポンペオや中国の王毅国務委員など、海外の要人との会談でも利用されるようになりました。

施設の構成と機能

本庁舎には、金正恩の執務室が含まれており、韓国の大統領秘書室に相当する「朝鮮労働党組織指導部」が設置されています。また、安全対策として核シェルターも完備されており、秘書室が存在することも特徴の一つです。

庁舎には別館があり、ここは会議棟として、多くの党の総会などが開催されています。付属施設としては、「16号官邸」と呼ばれる居住施設や、最高指導者専用の診療所が存在しています。しかし、診療所については2020年2月に撤去されたことが、衛星画像の解析によって明らかになりました。

まとめ

朝鮮労働党中央委員会本部庁舎は、北朝鮮の政治的な決定が行われる場であり、国際的にも注目されています。その内部の構成や用途から、重要な機能を担っていることが伺えます。また、その公開は、北朝鮮の対外的な姿勢の変化を示す一つの事例と考えられます。

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