朝鮮労働党第7次大会

朝鮮労働党第7次大会の概要

朝鮮労働党第7次大会は、2016年5月6日から9日までの4日間にわたり、朝鮮民主主義人民共和国の政党である朝鮮労働党によって開催されました。この大会は、1980年以降、36年間にわたり開催されなかった党大会となった歴史的な出来事です。これまでの六回の党大会が重要な決定を下してきたことから、多くの注目を浴びました。

開催の背景

2015年10月30日、朝鮮中央通信は2016年の5月初旬に党大会を実施すると発表しました。この発表以後、北朝鮮は水爆実験や長距離ミサイル発射実験を成功させたと主張し、これらの実績を党大会で発表する準備を進めました。特に、4月には中距離ミサイル発射実験が相次いで行われ、これが党大会に向けた準備であるとされたのです。

70日戦闘の実施

党大会を前に、北朝鮮政府は「70日戦闘」と呼ばれる動員活動を指示しました。これは、短時間で生産や建設を強化し、党大会の成功を結果として示すために行われたものです。労働環境は劣悪で、過酷な課題が課される中で労働者が事故に遭う事例も見られました。さらに、70日戦闘に参加しない人々に対しては、公安機関が家宅捜索を行うなどの厳しい措置が取られました。

党大会の進行

5月6日、党大会は平壌の4・25文化会館で開幕され、金正恩が事業総括報告を行いました。この報告の中で、北朝鮮は「責任ある核保有国」と宣言し、先制攻撃を受けない限り核兵器を使用しない意向を示しました。さらに、金正恩は2020年までに推進する「国家経済発展5カ年戦略」を提案し、経済発展と核開発を同時に進める方針「並進路線」を採用することを表明しました。

報告内容の詳細

報告中の主な内容は次のとおりです：

• - 軍事及び南北統一：北朝鮮は核拡散防止の義務を遵守しながら、韓国との自主的統一を図る意志を示しました。また、米国に対しては対北朝鮮制裁の解除を求める声も上がっています。
• - 経済政策：国家経済発展5カ年戦略に基づき、特に石炭、電力、金属、鉄道が重要な部門として挙げられ、国民生活の向上に貢献することを狙っています。
• - 党内改革：金正恩は親族や忠実な支持者の粛清を進めることで党の権力基盤を強固にし、権勢や官僚主義、不正行為の排除を訴えました。

結果と国際社会の反応

5月9日、最終日に金正恩が朝鮮労働党委員長に選出され、党規約も改正されました。これにより、金正恩の指導権が公式に強化されたことは、国内外で番狂わせの一因とされています。国際社会からはこの動きに対して様々な反応があり、中国や韓国、日本からの非難が集中しました。特に日本は、北朝鮮が核保有国と自認したことに強い反発を示しました。

結論

この大会を通じて、朝鮮労働党は金正恩体制の強化を図り、核の拡張と経済成長を同時に進める意志を明確にしました。これにより、北朝鮮における政治的な動きや国際関係への影響が続く中、今後の北朝鮮の行動を見守る必要があります。

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