朝鮮総督府官報

朝鮮総督府官報とは

『朝鮮総督府官報』は、日本統治下の朝鮮における朝鮮総督府の機関紙です。前身である『統監府公報』と合わせて、当時の法令や社会情勢を知る上で重要な資料となっています。

統監府公報

『統監府公報』は、1906年2月1日に統監府が事務を開始した翌年の1907年1月14日に創刊され、韓国併合直前の1910年8月27日に最終号が発行されました。不定期ながら週に1回程度のペースで発行され、統監府の政策や関連情報を伝えていました。

朝鮮総督府官報の概要

『朝鮮総督府官報』には、詔書、皇室令、朝鮮に関係する法律・勅令・軍令・条約・閣令・省令、制令、府令、訓令など、多岐にわたる法令が掲載されていました。また、朝鮮総督府をはじめとする各機関の告示、通牒、彙報、広告なども含まれていました。

当初は朝鮮語訳も掲載されていましたが、1925年5月28日を最後に掲載されなくなり、1930年4月1日以降は正式に削除されました。

原則として、日曜日、祝祭日、年末年始を除く毎日発行されていました。しかし、1945年8月16日以降は発行が不定期となり、同年8月30日には一般購読者への販売が停止されました。

編纂事項

『朝鮮総督府官報』には、以下の事項が掲載されていました。

法律、勅令、条約
閣令、省令
朝鮮総督の制令、府令、訓令
各庁の告示
裁判所の判決
官吏の任免、叙位、勲章
その他

朝鮮総督府官報活用システム

現在、大韓民国政府が提供する「朝鮮総督府官報活用システム」を通じて、デジタルアーカイブ化された『朝鮮総督府官報』を閲覧できます。このシステムでは、当時の紙面画像や索引を検索でき、日付、人名、分類などの条件で絞り込むことが可能です。ただし、法令については索引作成の対象外となっています。

このシステムは、親日反民族行為者の認定作業や歴史研究に役立てる目的で構築されました。2016年4月には改修が行われ、1916年から1927年発行分の記事や索引が追加され、より広範な情報が利用できるようになりました。

刊行一覧

『統監府公報』（第1號 - 第167號）: 1907年1月14日 - 1910年8月27日
『朝鮮總督府官報』（第1號 - 第578號）: 1910年8月29日 - 1912年7月30日
『朝鮮總督府官報』（第1號 - 第4305號）: 1912年7月31日 - 1926年12月25日
『朝鮮總督府官報』（第1號 - 第5567號）: 1926年12月27日 - 1945年8月30日

復刻版

朝鮮総督府 編『朝鮮総督府官報』日本マイクロ写真、1981年-1985年
韓国学文献研究所 編『朝鮮総督府官報』 全142冊、亜細亜文化社、1985年-1988年
韓国学文献研究所 編『朝鮮総督府官報 総索引』 全5冊、亜細亜文化社、1990年10月
『統監府公報』 上下巻、亜細亜文化社、1974年

関連項目

官報
台湾総督府報
満州国政府公報

外部リンク

韓国近現代史DB 朝鮮総督府官報（朝鮮語）
韓国国立中央図書館所蔵原文（朝鮮語）
* 写経屋の倉庫別館 朝鮮総督府官報置き場

『朝鮮総督府官報』は、日本統治時代の朝鮮における政治、経済、社会の状況を知るための貴重な資料です。デジタルアーカイブの活用により、手軽に閲覧できるようになったことで、研究や学習への貢献が期待されます。

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