朝鮮総督府殖産局

朝鮮総督府殖産局：産業振興の要

朝鮮総督府殖産局は、1910年の韓国併合後に設置された、朝鮮総督府の内部部局です。当初は農商工部に属し、商工局とともに産業振興を担いました。本稿では、その設立から、1943年に鉱工局へ再編されるまでの歴史、組織、そしてその役割について解説します。

沿革：設立から再編まで

1910年10月1日、韓国併合に伴い、朝鮮総督府が発足。農商工部には、商工局と共に殖産局が置かれました。1912年4月1日には、農商工部の改編により、農林局と殖産局に分離。しかし、1915年4月、機構簡素化のため両局は廃止され、各課の事務は農商工部長が直接指揮する体制となりました。

1919年8月20日の官制改正で、農商工部は廃止。総督直属の局として殖産局が再設置されました。そして、1943年12月1日、殖産局は農林局、専売局などと共に廃止され、農商局と鉱工局が新設。鉱工局は、終戦時に存在した総督府内部部局の一つとして、重要な役割を担いました。

機構：多様な分野を管轄

1941年9月1日時点での殖産局の機構は以下の通りです。

商工課
物価調整課
燃料課
鉱山課
産金課
水産課
燃料選鉱研究所
商工奨励館
鑿岩工養成所
地質調査所
度量衡所

また、関連する総督府所属官署として、水産試験場、水産製品検査所などが存在しました。

殖産局は、商工業の振興、物価調整、燃料政策、鉱業開発、水産業振興など、幅広い分野を管轄し、朝鮮における産業発展に大きく貢献しました。

鉱工局：戦時期の資源開発

1943年に新設された鉱工局は、戦時期の資源開発を担う重要な役割を担いました。鉱物資源の探査、開発、管理を通じて、戦時体制を支えるとともに、朝鮮における鉱工業の発展を目指しました。

歴代の局長については、現在詳細な情報が不足しています。

まとめ

朝鮮総督府殖産局は、朝鮮における産業振興の中核を担った機関です。その設立から再編までの過程は、日本の植民地政策における産業の位置づけを理解する上で重要な意味を持ちます。鉱工局への再編は、戦時期における資源開発の重要性の高まりを示すものであり、その後の朝鮮半島の経済発展にも影響を与えました。

参考文献

朝鮮総督府編『施政三十年史』（朝鮮総督府、1940年）
朝鮮総督府編『朝鮮事情　昭和十七年度版』（朝鮮総督府、1941年）
戦前期官僚制研究会編『戦前期日本官僚制の制度・組織・人事』（東京大学出版会、1981年）

関連項目

* 台湾総督府殖産局

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