朝鮮総督府鉄道テホイ形蒸気機関車

テホイ形蒸気機関車の歴史と特徴

朝鮮総督府鉄道で使用されたテホイ形蒸気機関車は、日本統治時代の朝鮮において重要な役割を果たしました。この機関車は、客貨両用のテンダ式蒸気機関車であり、モデル名の「テホイ」はホワイト式の車輪配置を表しています。具体的には、車輪の配置は4-6-0で、日本式では2C、アメリカ式の「テンホイラー」に相当します。

製造と輸入の経緯

テホイ形蒸気機関車は、アメリカのボールドウィン社によって明治39年（1906年）から製造が始まり、6両が朝鮮に輸入されました。最初は飽和式で四気筒複式エンジンを搭載していましたが、運行および保守において課題が多く、増備は進まなかったのが実情です。また、同時期に輸入された二気筒単式機関車であるテホニは、その後も増備が行われました。

改造と運用

1940年代初頭、テホイ形蒸気機関車は昭和4年から昭和9年にかけて火室の改造を受け、さらに昭和12年から昭和13年には過熱化とともに二気筒単式化改造が実施されました。これにより、運行性能が向上し、戦争の終息時点でも全車が在籍していました。当初の機番は301番から306番までで、後に601番から606番、最終的にはテホイ1番からテホイ6番という番号に変更されました。

南北分断後の状況

南北分断後、テホイ形蒸気機関車の一部は韓国側の鉄道庁で引き続き運用されていたことが分かっています。少なくとも3両が韓国側で活躍していたとの記録が残っています。

技術的特徴

テホイ形蒸気機関車の主要な技術的スペックは次の通りです：

• - 車輪配列: 2C (4-6-0)
• - 使用圧力: 14.0 kg/cm²
• - 最大気筒牽引力: 12,100 kg
• - 機関車重量 (運転整備時): 73.00 t
• - 炭水車重量 (同上): 44.50 t
• - 最大長: 18,393 mm
• - 最大幅: 3,050 mm
• - 最大高: 4,274 mm
• - 動輪直径: 1,680 mm
• - 許容最高速度: 95 km/h

これらの諸元からも分かるように、テホイ形蒸気機関車はその時代の輸送手段として重要な存在でした。技術的な進化を経て、当時の社会においてその役割を果たし続けたのです。

終わりに

以上のように、テホイ形蒸気機関車は朝鮮の鉄道歴史の中で欠かせない存在でした。その発展と変化は、当時の交通手段の進化や国の歴史と密接に関連しています。この機関車の特徴を理解することで、鉄道とともに歩んできた朝鮮の歴史をより深く知ることができるでしょう。

もう一度検索