木下茂 (山一證券)

木下茂の生涯と業績

木下茂（きのした しげる、1885年 - 1966年）は、福岡県に生まれた実業家であり、特に山一證券の会長として知られています。彼の生涯は、実業界におけるさまざまな役割を通じて、多くの企業の発展に寄与したことに特徴づけられています。

幼少期と学歴

1885年5月28日、福岡県八女郡上広川村で西村武助の三男として誕生した木下は、長崎市で木下キチの養子となります。1912年には家督を相続し、その後1913年に早稲田大学商学部を卒業しました。大学卒業後は、三菱合資会社に入社し、長崎支店で働き始めます。1915年には小池合資会社に転職し、ここで彼のキャリアは新たな局面を迎えることになります。

企業でのキャリア

小池合資会社は1917年に山一合資へと名字を変え、1926年には山一證券株式会社として改組されました。木下は同社で大阪支店長を経て専務に就任し、1938年には社長に選任されました。木下が社長となった背景には、前社長の太田収の急逝がありました。その後、山一證券は1943年に小池証券と合併し、木下は会長に就任しました。この役職には1947年まで在任しました。

また、木下は1938年5月から東洋ベアリング製造（現在のNTN）の取締役を務め、1947年から1956年まで同社の会長を担いました。さらには、1950年から1956年まで日本証券金融の会長も歴任しています。彼は、日本ドラム缶製作所の会長や、自身の長男が社長を務める東洋運搬機の相談役も兼任し、数多くの企業の発展に貢献しました。

家族について

木下茂は二度結婚しており、先妻のトシは1890年に長崎県で生まれ、後に株式会社長崎株式取引所の代表を務めました。後妻の絹子は1914年に誕生しています。

子どもたちもそれぞれの道で活躍しています。長男の木下高明は早稲田大学商科を卒業後、東洋運搬機に入社し、その後社長に就任しました。娘の昌子は海外事業部を担当する取締役であり、次女の光子も取締役として名古屋支店で働いています。二男の木下武久は東京音楽学校を卒業後、ドイツに留学し、音楽界でのキャリアを築いています。三男の和茂と四男の和之はそれぞれ学習院大学を卒業し、家業を引き継ぐべく成長しています。

終焉

木下茂は1966年3月31日に東京都港区の病院で息を引き取りました。享年80歳でした。彼の生涯は、実業家としてだけでなく父としても多くの人々に影響を与えるものでした。彼の業績は今もなお、ビジネス界で語り継がれています。

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