木村学 (地質学者)

木村学

木村学（きむら がく、1950年 - ）は、日本の地質学者であり、東京大学名誉教授。初代日本地球惑星科学連合会長、元日本地質学会会長を務めた。また、第23-24期日本学術会議会員でもある。専門はテクトニクス・構造地質学であり、プレート収束帯のテクトニクスを主な研究テーマとしている。

来歴

北海道奈井江町で生まれ、北海道岩見沢東高等学校を卒業。1974年3月に北海道大学理学部地質学鉱物学科を卒業後、1981年3月に北海道大学大学院理学研究科地質学鉱物学専攻を修了した。同年3月25日には、「Dynamic analysis of natural folds and tectonics near the southwestern margin of the Kurile Arc」と題した論文で、北海道大学より理学博士号を取得した。

1982年5月に香川大学教育学部講師として着任し、1984年10月には香川大学教育学部助教授に昇任。その後、1994年4月に大阪府立大学総合科学部教授、1997年8月に東京大学大学院理学系研究科・理学部教授に就任した。2016年4月からは東京海洋大学特任教授を務め、同年4月1日付で東京大学名誉教授の称号を得ている。

学会活動も活発に行っており、2006年5月から2008年5月まで日本地質学会会長、2008年12月から2012年5月まで公益社団法人日本地球惑星科学連合会長を務めた。現在は日本地球惑星科学連合の理事を務めている。また、「東京大地会」会長（2013年度～2017年度）、東京岩見沢会副会長（2018年度〜）も務めた。

研究内容

木村教授は、プレートテクトニクスの専門家として知られており、その研究は多岐にわたる。特に、プレート収束帯におけるテクトニクスに関する研究は、国内外で高く評価されている。

著書も多数あり、『図解・プレートテクトニクス入門 (ブルーバックス) 』『付加体と巨大地震発生帯―南海地震の解明に向けて 』『地質学の自然観』『プレート収束帯のテクトニクス学』『揺れ動く大地　プレートと北海道』など、一般読者にもわかりやすい解説書から専門的な研究書まで幅広く執筆している。

2007年には、統合国際深海掘削計画(IODP)による「南海トラフ地震発生帯掘削計画」のプロジェクターリーダーの一人として、本計画を指揮した。この計画は、南海トラフにおける地震発生メカニズムの解明を目指すものであったが、2019年には技術的な困難からプレート境界断層への到達を中断せざるを得ない状況となった。

受賞歴

2012年9月には、日本地質学会から日本地質学会賞を受賞。受賞対象となった研究テーマは、テクトニクス、付加体地質学、沈み込みプレート境界地震発生帯物質科学である。

その他

木村教授は、研究活動の傍ら、一般向けの講演会も積極的に行っている。2015年11月27日には、岩見沢生涯学習センター主催の市民講座で「動く大地」と題した講演を行い、2017年1月14日には、朝日カルチャーセンターで「地球研究の最前線 プレートテクトニクス」の講演を行った。これらの講演では、包括的な動く大地の理論であるプレートテクトニクスを一般向けに分かりやすく解説し、好評を博した。

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