木村朗子

木村朗子氏は、1968年神奈川県横浜市生まれの日本文学研究者です。東京大学大学院で言語情報科学を専攻し、博士号を取得。現在は津田塾大学多文化・国際協力学科教授として、日本古典文学、日本文化研究、女性学といった分野で教鞭を執っています。

木村氏の研究は、古典文学にとどまらず、現代の小説や短歌といった幅広いジャンルを対象としています。特に、ジェンダーの視点から文学作品を読み解く研究は、現代社会における多様な価値観を反映した新たな文学の可能性を示唆するものとして注目されています。

2004年には、博士論文「母、女、稚児の物語史 : 古代・中世の性の配置」で学術博士の学位を取得。2010年には女性史学賞を受賞するなど、その研究が高く評価されています。2015年には、文芸誌『文學界』で「新人小説月評」を担当し、文芸評論家としても活動しました。

著書には、『恋する物語のホモセクシュアリティ 宮廷社会と権力』(2008年)、『乳房はだれのものか 日本中世物語にみる性と権力』(2009年)、『震災後文学論 あたらしい日本文学のために』(2013年)、『女たちの平安宮廷 『栄花物語』によむ権力と性』(2015年)、『女子大で『源氏物語』を読む 古典を自由に読む方法』(2016年)、『その後の震災後文学論』(2018年)、『妄想古典教室 欲望で読み解く日本美術』(2021年)、『女子大で和歌をよむ うたを自由によむ方法』(2022年)、『平安貴族サバイバル』(2022年)、『紫式部と男たち』(2023年)、『百首でよむ「源氏物語」: 和歌でたどる五十四帖』(2023年)などがあります。

共編著として、『すぐわかる源氏物語の絵画』(2009年)、『世界文学としての〈震災後文学〉』(2021年)などがあります。また、複数の研究者との共著として、『同性愛をめぐる歴史と法―尊厳としてのセクシュアリティ』(2015年)、『ジェンダー×小説 ガイドブック 日本近現代文学の読み方』(2023年)などにも携わっています。

木村氏は、古典文学研究を通じて、現代社会におけるジェンダーやセクシュアリティの問題を考察し、新たな文学の可能性を追求しています。その研究活動は、学会や文壇においても高く評価されており、今後の活躍が期待されています。

木村朗子 (@kimurasaeko) - X（旧Twitter）
東京新聞 書く人

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