木村駿

木村駿（きむら しゅん）は、1930年1月28日に生まれ、2002年8月17日に没した日本の心理学者です。臨床心理学を専門とし、群馬大学名誉教授を務めました。

生涯

神奈川県に生まれた木村駿は、早稲田大学を卒業後、同大学院で臨床心理学を専攻しました。その後、群馬大学教育学部にて助教授、教授を歴任し、2000年に定年退官。群馬大学名誉教授の称号を得ました。退官後は、明星大学教授として教鞭を執り、2007年に退任しました。

1974年から1975年にかけては、文部省在外研究員としてキングス・カレッジ・ロンドン精神医学研究所（IoP）に派遣され、海外での研究活動を行いました。1979年には、パキスタン政府の招きでイスラマバード国立心理研究所に滞在し、心理学の研究・教育に貢献しました。

木村駿の妻である木村治美はエッセイストであり、ロンドン滞在期の経験を綴った『黄昏のロンドンから』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞しています。

研究内容と著書

木村駿は、暗示や催眠、日本人の深層心理など、幅広いテーマで研究を行い、多くの著書を発表しました。

代表的な著書としては、

『TAT診断法入門』（誠信書房、1964年）
『暗示と催眠の世界 現代人の臨床社会心理学』（講談社現代新書、1969年）
『日本人の深層心理 「いえ」社会の危機』（創元社、1977年）
『日本人の対人恐怖』（勁草書房、1982年）

などがあります。これらの著書を通じて、木村は現代人の心理や社会における問題について深く考察し、独自の視点を提供しました。また、ビジネスや人間関係に関する心理学の著書も多く、一般読者にもわかりやすく心理学の知識を伝えることに貢献しました。

業績

木村駿は、臨床心理学の発展に大きく貢献した心理学者として知られています。その研究は、学術的な価値だけでなく、社会的な問題の解決にも役立つものであり、多くの人々に影響を与えました。また、後進の育成にも尽力し、多くの心理学者を育てました。

木村駿の業績は、日本の心理学界において重要な位置を占めており、その研究は今日でも高く評価されています。

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