木枯しに抱かれて (小泉今日子の曲)

小泉今日子のシングル「木枯しに抱かれて」

小泉今日子の20枚目のシングル「木枯しに抱かれて」は、1986年11月19日にビクター音楽産業からリリースされました。この楽曲は、彼女が主演する映画『ボクの女に手を出すな』の主題歌としても注目を集め、ファンの心に深く刻まれています。

楽曲の背景と制作過程

「木枯しに抱かれて」の作詞・作曲は、人気バンドTHE ALFEE|THE_ALFEEの高見沢俊彦が担当しました。当初、この楽曲は「風少年」というタイトルでロサンゼルスのA&Mスタジオで制作されていました。しかし、数ヶ月の間に「木枯しに抱かれて」という新しいタイトルに変更されました。この過程は、音楽ライターの小野緑の取材によって明らかになっています。

小泉はこの曲を聴くと、スタジオの木の床や高見沢の少年のような瞳を思い出すそうです。高見沢は、冷たい風の中で立つ少女のイメージを描き、心は温かいが周囲は冷たいという状況の中での恋心を表現しようとしました。彼はまた、この曲を年齢を重ねても歌い続けられるスタンダードナンバーにしたいと願ったそうです。

音楽的特徴

デモテープには、アイリッシュ・フォークのサウンドが取り入れられ、間奏にはバグパイプの音が加えられました。このアイデアは編曲を担当した井上鑑によるもので、彼はこの曲が非常に気に入っており、自身の作品の中でも上位に入ると話しています。アルバム『Hippies』では、バグパイプの音がイントロ部分にも使われたり、別のコンピレーションアルバム『Best Of Kyong King』ではアカペラ版として収録されたりするなど、多彩なアレンジが施されています。

小泉今日子の出演と反響

小泉は1987年の大晦日、NHK紅白歌合戦に出演し、「木枯しに抱かれて」を歌いました。このパフォーマンスは多くの観客の記憶に残る瞬間となり、SNSに投稿されることも多いそうです。さらに、1987年3月にはTHE ALFEE|THE_ALFEEのシングル「サファイアの瞳」のカップリングとしてセルフカバーされるなど、その人気は衰えることなく続いています。このバージョンでは、歌詞の一部が女性の視点から変更されるなど、大幅なアレンジが施されています。

さまざまなカバー

「木枯しに抱かれて」は、多くのアーティストにカバーされてきました。例えば、ビビアン・チョウや片瀬那奈、音速ラインなど、国内外の様々なアーティストがこの楽曲に自分の解釈を加えて歌っています。また、2022年にはMs.OOJAがカバーアルバムに収録し、2023年にはクリィミーマミ（太田貴子）が80年代のJ-POPヒッツとしてこの曲を再解釈しています。

まとめ

「木枯しに抱かれて」は小泉今日子の代表作の一つであり、その歌詞や音楽は多くの人々に共感を呼び続けています。冷たい風の中に佇む少女の姿をイメージしたこの楽曲は、今も多くの人々に歌われ、愛されるスタンダードなバラードとしての地位を確立しています。

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