木綿原遺跡

木綿原遺跡について

木綿原遺跡（もめんばるいせき）は、沖縄県読谷村に位置する沖縄貝塚時代の貴重な遺跡であり、1978年11月15日に国の史跡に指定されました。この遺跡は、読谷村の西海岸にある砂丘上に広がっており、沖縄貝塚時代の前期から後期にかけての墓群が発見されています。この時期は、日本本土における弥生時代に相当します。

遺跡内には、石棺墓や石囲墓を含む計9基の墓があり、14体の遺体が埋葬されているほか、埋葬施設が特定されていない人骨もいくつか出土しています。特に、沖縄において先史時代の石棺墓群が初めて確認されたことから、歴史的価値が高いとされています。また、墓群の約40メートル離れた位置には貝塚も発見され、これにより当時の人々の日常生活や文化が伺えます。

墓群の構成

木綿原遺跡の墓群は、主に1号から7号までの墓に分類されています。3号と6号は石囲墓、残りの墓は石棺墓です。石棺墓は、サンゴやビーチロックを利用して組み立てられており、その寸法は長さ173から182センチ、幅34から51センチ、高さ35から41センチに及びます。大多数の墓には覆石が設けられ、墓の目印として特別な構造が取られています。特に、1号と2号の墓は棺内が上下に分かれており、ここで追葬が行われたことが窺えます。

一方、土壙墓が2基存在し、そのうちの3体の人骨は埋葬施設が特定できない状態で出土しています。これらの人骨も、本来は土壙墓として扱われる可能性があります。

人骨と副葬品

出土した人骨は合計で17体にのぼり、その性別も調べられています。中には男性が8体、女性が5体、小児が2体おり、成人で性別が不明なものが2体含まれています。埋葬方法は主に仰臥伸展葬と伏臥伸展葬の2種類であり、貴重な考古学的資料となっています。特に、抜歯の習俗がみられる人骨が4例存在する点も注目されています。

副葬品としては、様々な貝製品が出土しており、特に貝輪や有孔貝製品が多く見つかりました。さらに、骨の上に置かれた貝の例も確認されています。1号墓からは鉢形土器や磨製石斧、5号墓からはヒスイの丸玉なども見つかり、当時の文化や技術の一端が示されています。これらの出土品からは、木綿原遺跡が多様な文化的表現の証であることが分かります。

木綿原遺跡は沖縄の先史時代を知る上で欠かせない重要な遺跡であり、今後も多くの研究が期待されています。

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