末井昭

末井 昭の生涯と業績

末井 昭（すえい あきら、1948年6月14日生まれ）は、自由な発想と独特の視点で多くの影響を与えた日本のフリー編集者、作家、サックス奏者です。彼は元白夜書房の取締役編集局長として知られ、編集者としての卓越した才覚を発揮してきました。彼の名前を冠した作品群は、多くの読者に親しまれ、また時には物議を醸すこともありました。

生い立ちと初期のキャリア

岡山県吉永町に生まれ育った末井は、幼少時に大きな出来事に直面します。7歳の時、彼の母親が心中事件に巻き込まれ、その影響を受けることになります。彼は岡山県立備前高等学校の機械科を卒業後、大阪の製造工場での厳しい労働環境を耐え抜けず、川崎の父親のもとに戻り、自動車工場で働き始めました。

その後、1967年には渋谷にある青山デザイン専門学校でグラフィックデザインを学び、デザイン会社での看板デザインに従事します。この経験が後の出版社での活動につながります。

編集者としての活動

1975年、末井はエロ総合誌『ニューセルフ』の創刊を任され、これを皮切りに独自の編集スタイルを展開します。しかし、彼が手がけた掲載作品により、発禁処分を受けるなど波乱のスタートを切りました。1977年に創刊した雑誌『ウイークエンドスーパー』は徐々にエロ本からサブカルチャー雑誌へと変化し、多くの著名なライターやカメラマンたちが参加しました。1981年に創刊した『写真時代』も高い評価を受ける一方、1988年には警察による発禁処分に遭い、廃刊を余儀なくされました。

その後、末井は『パチンコ必勝ガイド』を創刊し、これが大ヒット。彼は一時的にギャンブルや不動産投資に手を出し、多大な負債を抱えることになりました。長年、白夜書房での地位を維持していましたが、2012年には取締役を辞任し、その後フリー編集者としての活動を始めました。

主な業績と影響

彼は多くの著作を残しており、代表作としては『素敵なダイナマイトスキャンダル』や『自殺』があげられます。特に自伝的要素を含む『素敵なダイナマイトスキャンダル』は1982年に発表され、その後映画化もされました。2014年には『自殺』で第30回講談社エッセイ賞を受賞し、彼の文学的な才能が広く認識されることになりました。

最近では、2022年に『100歳まで生きてどうするんですか？』を発表し、人生や老いについての考察を展開しています。さらに、神蔵美子との再婚後は聖書の教えを実践していることも興味深い点です。

最後に

末井昭の人生は、波乱に富んだ経歴と多彩な業績で彩られています。彼の作品や雑誌は今なお多くの人々に影響を与え続けており、サブカルチャーやエセー界にとって欠かせない存在であることは間違いありません。彼の独自の視点から生まれた文章や作品が、今後どのように評価されていくのか注目が集まります。

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