末宗徹郎

末宗 徹郎

1959年（昭和34年）5月2日に千葉県で生まれた末宗徹郎（すえむね てつろう）氏は、日本の自治・総務官僚として重要なキャリアを歩みました。山口県の高等学校に入学後、親の転勤に伴い千葉県立船橋高等学校へ転校し卒業。その後、1983年（昭和58年）3月に東京大学法学部を卒業しました。

大学卒業と同年の4月、末宗氏は自治省に入省し、公務員としての第一歩を踏み出しました。入省初期には岡山県への出向を経験するなど、地方行政の実務に触れています。

自治省および省庁再編後の総務省では、財政や行政に関連する多くの要職を歴任しました。具体的には、大臣官房総務課理事官、財政局地方債課理事官、同財政課財政企画官、自治行政局地域振興課過疎対策室長、同行政課行政企画官、自治財政局調整課長、同地方債課長、同財政課長などです。これらのポストを通じて、国の財政運営や地方自治体の支援、地域振興といった幅広い分野で政策立案や執行に深く関与しました。

また、官僚生活においては、本省勤務と並行して様々な機関への出向も経験しています。茨城県では総務部長として地方自治体の運営に携わり、内閣府では地方分権改革推進室次長、内閣官房では内閣審議官やまち・ひと・しごと創生本部事務局次長を務めるなど、中央省庁や内閣の重要政策にも関わりました。これらの経験は、多角的な視点から行政課題に取り組む基盤となりました。

特に、東日本大震災からの復興は、末宗氏のキャリアにおいて重要な位置を占めます。2018年（平成30年）7月27日、復興庁の統括官に就任し、復興事業の推進に尽力しました。さらに翌年の2019年（令和元年）7月9日には、復興行政の最高責任者である復興庁事務次官に昇任。被災地の再生に向けた困難な課題に対し、陣頭指揮を執りました。復興庁事務次官の職は2020年（令和2年）7月20日に退任しました。

復興庁退任後も、末宗氏は復興への関与を続けます。2020年（令和2年）9月18日、福島復興再生総局事務局長に就任し、福島県の復興・再生に特化した業務を担いました。このポストは2022年（令和4年）6月28日まで務めました。

福島復興再生総局事務局長を退任した同日、今度は復興庁の顧問に就任し、これまでの経験に基づいた専門的な助言を行いました。

官界を離れて以降も、その豊富な知識と経験を活かして社会に貢献しています。2020年（令和2年）12月1日からは三井住友海上火災保険の顧問を務め、さらに2022年（令和4年）9月からは、地方の総合的な整備・振興を目的とする地域総合整備財団の理事長に就任し、再び公共的な分野で活動しています。

末宗徹郎氏の公職キャリアは、地方自治、国の財政・行政、地方創生、そして東日本大震災からの復興と、日本の様々な重要課題に深く関わった軌跡と言えます。特に復興庁事務次官として、被災地の復旧・復興という国家的な課題に取り組んだ経験は、その経歴の中でも特に大きな意味を持ちます。退官後も、多方面で活躍を続けています。

年譜

1983年3月：東京大学法学部卒業
1983年4月：自治省入省
1991年4月：奈良県総務部財政課長
1995年7月：総理府地方分権推進委員会事務局上席調査員
2000年7月：茨城県総務部長
2005年4月：総務省自治行政局地域振興課過疎対策室長
2008年7月：総務省自治財政局調整課長
2011年5月：総務省自治財政局地方債課長
2012年8月：総務省自治財政局財政課長
2013年6月：内閣府地方分権改革推進室次長 他兼任
2014年9月：内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長
2018年7月：復興庁統括官
2019年7月：復興庁事務次官
2020年7月：復興庁事務次官を退任
2020年9月：福島復興再生総局事務局長
2020年12月：三井住友海上火災保険顧問
2022年6月：福島復興再生総局事務局長を退任、復興庁顧問に就任
2022年9月：地域総合整備財団理事長

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