本を綴る

本を綴る

『本を綴る』は、千勝一凜脚本、篠原哲雄監督による2024年公開の日本映画です。一度は筆を置いた小説家が、旅を通じて再び物語を紡ぎ出す姿を描いたロードムービーであり、栃木県那須塩原市での先行公開を経て、全国で公開されました。

概要

本作は、YouTubeドラマ「本を贈る」から派生した物語です。過去の作品で傷ついた主人公が、全国の書店を巡る中で様々な人々との出会いを通じて再生していく姿を描いています。那須塩原市図書館みるるをはじめとする実在の場所がロケ地となっており、その美しい風景も魅力の一つです。

あらすじ

かつてベストセラー作家だった一ノ関哲弘は、過去の作品が原因で筆を折ってしまいます。彼は全国の書店を巡り、書評やコラムを執筆する日々を送っていました。そんな中、那須塩原市で訪れた子ども食堂で、図書館司書の沙夜と出会います。沙夜と共に森の中の書店を訪れた一ノ関は、古書に挟まれた恋文を見つけ、その宛先を探す旅に出ることを決意します。

京都で学生時代の友人である小笠原功二を訪ね、手紙の宛先について尋ねると、近くの古本屋を紹介されます。そこで、手紙の相手が京扇子の職人と結婚していたものの、既に亡くなっていることを知ります。しかし、孫娘の朝比奈花が小料理屋を営んでいることを知り、訪ねることに。花との出会いを通じて、一ノ関は再び書くことへの希望を見出します。

花に観音寺への切符をプレゼントした一ノ関は、彼女の婚約者の墓参りに同行します。そこで、婚約者が生前に救った子供とその家族と出会い、花は心の傷を癒していきます。四国に滞在を続ける一ノ関は、高松市の移動図書館を手伝う男性が経営するBARで、自身の過去の作品を見つけます。その本の持ち主である漁師の平野源次との出会いを通じて、過去と向き合い、新たな一歩を踏み出す決意を固めます。

閉店した書店から引き取った本を移動書店として各地で販売する中で、一ノ関は小説と絵本を執筆し、新たな執筆の道を歩み始めます。

キャスト

一ノ関哲弘：矢柴俊博
朝比奈花：遠藤久美子
石野沙夜：宮本真希
伊達夕夏：石川恋
小笠原功二：長谷川朝晴
岩佐美玖：米野真織
平野源次：加藤久雅
北野豊人：川岡大次郎
北野亜弥：宗清万里子
宇田朝：千勝一凜

スタッフ

監督：篠原哲雄
脚本：千勝一凜
音楽：GEN
配給：アークエンタテインメント

主題歌

* ASKA「I feel so good」

『本を綴る』は、過去の傷を乗り越え、再び生きる希望を見出す人々の姿を描いた感動的な作品です。美しい日本の風景の中で繰り広げられる人間ドラマは、観る人の心に深く響くことでしょう。

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