本林徹

本林徹：日本の法曹界を牽引した弁護士

本林徹（もとばやし とおる）は、1938年1月5日に宮城県仙台市で生まれました。東京大学法学部を卒業後、弁護士として日本の法曹界で活躍し、日本弁護士連合会会長も務めた、日本の法律界を代表する人物の一人です。

生い立ちと学歴

小学校から成蹊学園で学び、成蹊中学校・高等学校を経て東京大学へ進学。大学在学中の1960年に司法試験に合格し、1961年3月に東京大学法学部を卒業しました。その後、1968年から1969年までハーバード・ロー・スクールに留学し、法学修士(LLM)を取得しています。

弁護士としてのキャリア

1963年4月に弁護士登録を行い、東京弁護士会に所属。森良作法律事務所に入所し、弁護士としてのキャリアをスタートさせました。1970年には、森良作法律事務所を共同事務所に改組し、共同経営者の一人となります。その後、東京弁護士会副会長、会長、日本弁護士連合会副会長を歴任し、2002年4月には日本弁護士連合会会長に就任しました。

2002年には、森綜合法律事務所と濱田松本法律事務所の統合に携わり、森・濱田松本法律事務所の開設に貢献。同事務所のパートナーとして活躍しました。2008年には、旭日重光章を受章しています。現在は、井原・本林法律事務所のパートナーとして、企業法務を中心に幅広く活躍しています。

弁護士としての信念

森綜合法律事務所時代には、弁護士一人ひとりの個性と自由を尊重し、楽しく仕事に取り組むことを重視していました。事務所の雰囲気を大切にし、大きな案件が解決した際には、担当弁護士が事務所の全員にケーキを奢るという慣習もあったそうです。

アメリカ留学の経験から、日本の裁判制度が国民にとって使いにくいものであると感じ、労働審判制度や裁判員制度の創設に尽力しました。市民がもっと裁判に参加しやすい社会を目指し、日本の社会構造を変革しようという強い意志を持っていました。

法曹界以外での活動

弁護士としての活動の傍ら、スポーツ界にも貢献しました。1994年から2004年まで日本サッカー協会の監事を務め、1994年から2008年3月まで日本プロサッカーリーグ（Jリーグ）の裁定委員を務めました。また、2004年6月には日本サッカー協会裁定委員会委員長に就任しています。その他、商事法務研究会理事、日弁連法務研究財団認証評価評議会議長、NHK「業務点検・経理適正化委員会」委員長、日立製作所社外取締役、日本電信電話株式会社監査役、住友生命保険相互会社監査役など、多岐にわたる分野で要職を歴任しました。

本林徹は、弁護士としての卓越した能力に加え、社会への貢献意欲と実行力を持つ人物であり、日本の法曹界、スポーツ界、そして社会全体に大きな影響を与えた人物として記憶されています。

もう一度検索