本格ミステリ・ベスト10

本格ミステリ・ベスト10の概要

『本格ミステリ・ベスト10』は、探偵小説研究会によって編纂された推理小説ランキングの書籍であり、毎年12月に原書房から発刊されます。このランキングは、本格推理小説に特化しており、読者や専門家によって選ばれた優秀な作品を紹介しています。1997年に始まり、東京創元社の雑誌『創元推理』で最初のランキングが掲載され、その後、探偵小説研究会が主催となって現在に至ります。

歴史と背景

ランキングの起源は1996年にさかのぼり、その翌年から毎年の恒例行事として行われています。初期の1998年から2000年までの3年間は東京創元社から刊行されましたが、2001年からは原書房が版元となり、以降は探偵小説研究会が編集・編纂を行っています。当初は日本国内の作品が中心でしたが、2001年版からは海外作品もランキングに含まれるようになり、2002年版からはインターネットを通じた読者投票による国内ランキングも加わりました。

ランキング集計方法

ランキングの選出は、研究会が本格ミステリに精通する有識者に投票を依頼するといった形を取り、各投票者がその年の5作品を選び出す方式です。本格ミステリの「本格」の定義は投票者ごとに異なり、それぞれの視点から作品が評価されます。

各年の対象と特記事項

ランキングは年ごとに発行されており、例えば2001年版は2000年の1月から10月に発行された書籍を対象としています。以降も毎年続き、各号ごとに発行対象の期間が設定されています。これにより、読者は最新のトレンドや作家の活躍を追うことができます。特に短編に関する全体のランキングが2012年版で、また97年度から2016年度までの集大成としての『本格ミステリ・ベスト・オブ・ベスト10』が2017年版で発表されるなど、特別企画も行われています。

特別企画

また、同書ではその年の活躍した作家をインタビューする「本格 Man of the Year」や、気鋭の作家を紹介するコーナーも設けられ、幅広い視点から本格ミステリの魅力を伝えています。これにより、名作の発表だけでなく、作家自身の生の声やその作品への思いも伝わり、読者との距離が縮まります。

他のミステリランキングとの関係

関連書籍としては、同じくミステリーに特化した『本格ミステリ大賞』や『週刊文春ミステリーベスト10』などがあります。これらのランキングと相互に関連しながら、日本のミステリー文化を形成している要素となっています。

まとめ

『本格ミステリ・ベスト10』は、日本国内外の本格ミステリ作品に焦点を当て、専門家や読者による投票によって年間のベスト作品を選出することで、ミステリ文学の発展に寄与している重要な書籍です。新しい本格ミステリファンにとっては、必見の一冊であり、作品を選ぶ際の貴重な指針ともなるでしょう。

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