本田英志

プロ野球審判員 本田 英志

1971年9月1日に愛知県で生を受けた本田英志（ほんだ ひでし）氏は、日本のプロ野球界を支える審判員のひとりです。審判員としての袖番号は43。父は、かつてプロ野球選手として活躍し、引退後は中日ドラゴンズで要職を務めた本田威志氏という、野球一家に育ちました。

野球選手としての歩み

高校時代は、愛知県立豊田西高等学校で野球に打ち込みました。3年生の夏にはエースピッチャーとして、またクリーンアップを打つ4番打者としてチームを牽引。県大会決勝まで勝ち進む快進撃を見せましたが、選抜高等学校野球大会で優勝した強豪、東邦高等学校に惜しくも敗れ、甲子園出場はなりませんでした。東邦高校の先発マウンドには、後にプロ入りする山田喜久夫投手がいました。

高校卒業後、中央大学へ進学。大学でも硬式野球部に所属し、内野手としてプレーしました。

審判員キャリアの始まりと軌跡

大学卒業後の1994年、本田氏はセントラル・リーグ審判部の一員となりました。プロ野球の審判員として、公正なジャッジメントを下す道を歩み始めます。初出場を果たしたのは、入局から数年後の1999年9月11日。横浜スタジアムで行われた横浜ベイスターズ対広島東洋カープの22回戦で、一塁塁審を務めました。

長年のキャリアにおいて、本田氏は数々の節目を迎えました。

通算1000試合出場: 2014年5月9日、マツダスタジアムでの広島東洋カープ対中日ドラゴンズ第6回戦にて達成。この記録は、長年にわたる安定した活動の証です。
通算1500試合出場: 2019年6月18日、神宮球場で行われた東京ヤクルトスワローズ対福岡ソフトバンクホークス戦で、球審として達成しました。試合数が増えるにつれて、より重要な局面での担当が増えていきました。
* 通算2000試合出場: 2024年7月10日、ベルーナドームでの埼玉西武ライオンズ対北海道日本ハムファイターズ11回戦にて、二塁塁審として達成。これはNPB審判員として史上75人目の快挙でした。

2024年シーズン終了時点で、本田氏の通算出場試合数は2054試合に上ります。

国際舞台と主要ポスト

国内リーグでの活動に加え、国際大会でもその手腕を発揮しました。2015年に第1回が開催されたWBSCプレミア12には審判員として派遣され、合計6試合を担当。決勝戦という大一番では、一塁塁審を務め、正確なジャッジで大会の成功に貢献しました。

また、審判部内での役職も務めました。2021年にはサブクルーチーフに昇格し、翌2022年にはクルーチーフへと昇進。責任ある立場として、後進の指導や審判団の運営にも携わりました。2022年の日本シリーズでは、当初予定されていませんでしたが、急遽出場し、重要なポストを担いました。

しかし、2025年からはクルーチーフの役職を離れ、再び一般審判員として活動する予定です。

日本シリーズ・オールスター・表彰歴

本田氏は、プロ野球の祭典であるオールスターゲームに3回（2005年、2011年、2019年）、日本シリーズには5回（2011年、2014年、2016年、2018年、2022年）出場するなど、数多くの大舞台で審判を務めてきました。これらの経験は、審判としての高い能力と信頼性の証と言えるでしょう。

また、審判員としての功績は表彰によっても認められています。2012年には審判員奨励賞を、2016年にはファインジャッジ賞をそれぞれ受賞しています（表彰記録は2022年シーズン終了時点のものです）。これらの賞は、日々の正確なジャッジや審判技術の向上が評価された結果です。

愛知県出身の本田氏は、父の後を追うように野球の世界に進み、選手から審判へと立場を変えながら、長年にわたりプロ野球の発展に貢献し続けています。

もう一度検索