本荘城

本荘城の歴史と構造

本荘城（ほんじょうじょう）は、秋田県由利本荘市にかつて存在した平山城です。この城は江戸時代に本荘藩の藩庁が置かれ、重要な歴史的な役割を果たしました。本荘城は、別名で鶴舞城や尾崎城とも呼ばれています。

縁起と立地

本荘城の歴史は、山形城主であった最上義光が由利郡を掌握した慶長出羽合戦に始まります。慶長8年（1603年）、義光の重臣である楯岡満茂が4万5千石でこの地域に入封し、最初は赤尾津城を居城としていました。しかし、赤尾津城は立地が不便であったため、慶長18年（1613年）に尾崎山に新たに本城を築くことになりました。

城の変遷

元和8年（1622年）、最上氏が改易され、本多正純が5万5千石で宇都宮から移封されました。この際、幕府の命令により、城郭は破壊されてしまいます。しかし翌年、正純は久保田藩の佐竹氏の配下となり、六郷政乗が2万2千石で新たに入封しました。政乗は城を縮小して修復し、同時に城下町も形成しました。この時点では依然として本城と呼ばれていましたが、その後、六郷政勝の代に本荘へと改称されました。

以降、明治維新まで六郷氏が11代にわたり居城としました。しかし、戊辰戦争では官軍側に属したため、奥羽越列藩同盟に参加した鶴岡藩による攻撃を受け、城主の六郷政鑑は城に火を掛けて逃亡しました。最終的に、明治2年（1869年）に版籍奉還が行われ、城は廃城となりました。

城の構造

本荘城は本丸、二の丸、三の丸からなる三郭制をとり、本丸には諏訪神社が設置されています。城の築城当初から天守閣は存在せず、二重櫓が本丸に代わりに置かれていました。居館は三の丸に位置しています。

現在の遺構

現在、本荘城の主要な跡地は本荘公園として整備されており、土塁や堀などの遺構が残されています。また、三の丸には模擬城門も建てられています。これらの遺構は、訪れる人々に当時の歴史的な面影を感じさせるものとなっています。

教育機関との関連

由利本荘市内には、本荘城に由来する名称の2つの小学校、鶴舞小学校と尾崎小学校があります。これらの校名は、本荘城の別名にちなんで名付けられたものです。

本荘城は、歴史的な価値だけでなく、その遺構を通じて地域の文化や教育とも深く結びついています。

もう一度検索