本覚寺 (広島市)

本覚寺について

本覚寺（ほんがくじ）は広島県広島市中区十日市町に位置する日蓮宗の寺院であり、山号は広布山です。この寺院は、京都にある本法寺を旧本山としています。

歴史

本覚寺の起源は、慶長6年（1601年）に自性院日朝が現在の安芸高田市から移転したことに遡ります。日朝は、身延山久遠寺の11世の日朝とは異なる人物です。慶応2年（1866年）には、今も残る被爆鳥居が建てられましたが、昭和20年8月6日の広島原爆により寺院は全壊・全焼しました。現在の本堂は平成8年（1996年）に再建され、会館は平成16年（2004年）に完成しました。この寺院は原爆の爆心地からおよそ550メートルの距離に位置しています。

境内の特色

境内には、過去の被爆を記録する遺構として被曝鳥居や狛犬、灯篭などの石造物が残っています。これらの遺物は訪れる人々に歴史的な背景を語りかけており、広島の悲惨な記憶を伝える重要な存在として位置づけられています。

地域活動

本覚寺は地域社会との結びつきを大切にしており、いくつかの活動を展開しています。平成14年1月からは、仏教を学びたい人を対象とした「広島仏教塾」を毎月1回開催しており、参加者が仏教についての知識を深める機会を提供しています。また、平成17年4月からは幼少年向けの「広島寺子屋こども会」を実施していましたが、これは平成28年3月に終了しました。

近年では、平成27年7月から小学生を対象とした「夏休みお寺宿泊体験」を毎年1回開催しており、子供たちが寺院での生活を通じて、仏教に親しむ機会を得ています。さらに、平成29年6月には婚活支援活動「広島婚活塾」を始め、地域の人々に新たな出会いの場を提供しています。

また、平成30年6月からは「十日市こども食堂おてらごはん」を開始し、地域の子供たちに食事を提供する活動を行っています。これは毎月1回実施され、地域の孤食問題や栄養問題に対する取り組みとして注目されています。

歴代の住職

本覚寺の開基は久遠成院日親上人で、開山は自性院日朝上人にあたります。その後の歴代住職は、第32世の本立院日運上人、渡部正康、第33世の渡部康國、第34世の渡部公友と続いています。

旧末寺について

日蓮宗は昭和16年に本末制度を解体したため、現在では本覚寺を旧本山、そこで修行をしていた寺院を旧末寺と呼んでいます。これらの旧末寺には、広栄山本覚院（廿日市市林が原）や広昌山法華寺（大竹市玖波）などがあります。

関連資料

本覚寺に関する情報は多くのメディアで取り上げられており、『月刊住職』や新聞各社の地方版に関連する記事が掲載されています。これらの資料は、寺院の歴史や活動を深く理解するための貴重な情報源となっています。

まとめ

本覚寺はその老舗の歴史と共に、地域社会に根ざした様々な活動を通じて新たな価値を創造しています。訪れる人々は、歴史的な遺構を見学しながら、現代の仏教の在り方を学び、地域とのつながりを感じることができるでしょう。

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