札幌市立中央中学校

札幌市立中央中学校

札幌市立中央中学校は、北海道札幌市中央区に位置する公立中学校です。札幌の都心部にあり、周囲にはオフィスビルや商業施設、マンションなどが立ち並ぶ都市環境にあります。本校は、地域の変化とともに歩んできた歴史を持ち、近年は生徒数が増加傾向にある活気ある学校です。

本校の歴史は、1968年9月に遡ります。当時、札幌市内のドーナツ化現象による生徒数の減少を受け、札幌市立一条中学校と札幌市立陵雲中学校が統合し、札幌市立中央中学校として開校しました。一条中学校は1947年に開校し、一時期は北海道教育部の協力を得てモデルスクールとして先進的な教育実験を行った歴史を持ちます。また、廃校となった札幌市立第三中学校の生徒を受け入れた時期もあり、生徒数が2000名を超える大規模校でした。一方、陵雲中学校は1954年に開校し、当初は近隣の小学校校舎を間借りしていましたが、その後旧北海道札幌北高等学校跡地に移転し、市内の中学校としては初めて鉄筋コンクリート造りの新校舎を持つなど、新しい試みを取り入れていました。両校は1968年8月にそれぞれ閉校し、翌9月に中央中学校が誕生したのです。

開校当初、中央中学校は新校舎が完成するまでの間、旧一条校舎と旧陵雲校舎に分かれて授業を行っていました。現在の校舎が竣工し、移転したのは1969年3月のことです。現在の校舎の特徴の一つとして、体育館が校舎の3階と4階に設けられている点が挙げられます。旧一条中学校の跡地には現在市民ギャラリーやマンションが建ち、旧陵雲中学校の校舎もその後、札幌市立大通小学校の移転先として利用されたほか、円山小学校の仮校舎、さらには市立札幌大通高等学校の暫定校舎として活用された後に取り壊され、その役割を終えました。

本校の教育は、「吾あり 人あり 学びあり」という校訓のもと行われています。この校訓に基づき、「強い意志をもち、豊かな未来を創造する生徒」「思いやりをもち、人との結び付きを大切にする生徒」「自ら学び、確かな知恵を身に付ける生徒」「忍耐強く、たくましい心身を鍛える生徒」という四つの教育目標を掲げ、生徒たちの全人的な成長を目指しています。

学校生活においては、年間を通じて様々な行事が実施されます。春には新たな一年が始まる入学式が行われ、新入生を迎え入れます。5月には学年ごとに校外学習や宿泊学習、修学旅行が実施され、集団行動や体験学習を通して生徒たちの見聞を広げ、協調性を育みます。初夏には陸上競技会や球技大会で体力やクラスの団結力を養い、秋には文化祭や合唱祭で文化的な活動に取り組みます。これらの行事は、生徒たちにとって思い出深く貴重な体験の場となっています。

部活動も盛んで、運動部としては野球部、女子バレーボール部、男子・女子バスケットボール部、サッカー部があります。文化部には吹奏楽部、演劇部、美術・工芸部があり、多くの生徒が放課後にそれぞれの活動に打ち込んでいます。

本校の通学区域は、札幌市中央区の広範囲にわたります。札幌市立中央小学校、資生館小学校、桑園小学校、苗穂小学校、北光小学校など、複数の小学校から生徒が進学してきます。近年、特に創成川東地区における人口増加が著しく、この地域の大部分が本校の校区に含まれていることが、生徒数が大幅に増加している背景にあると考えられています。2017年度には特別支援学級を除いて331名だった生徒数が、2024年度には特別支援学級を含めて474名に増加するなど、都心の学校でありながらも活気を取り戻しています。

中央中学校には、代々受け継がれてきた独自の伝統があります。一つは「挨拶」です。単なる形だけの挨拶ではなく、相手の目を見て、心を通わせる挨拶を心がけることが重視されています。もう一つは「ドアリレー」と呼ばれる習わしです。これは、ドアを開けて出入りする際に、次に人が来るまでドアを押さえて開けておくというものです。開けてくれる人が次々と交代していく様子からこのように呼ばれており、「挨拶」とともに本校の伝統として大切にされています。さらに、毎年恒例となっている「黄色いハンカチ」という行事があります。これは、修学旅行から列車で帰校する3年生を、校舎の屋上から1・2年生が黄色いハンカチを振って迎えるというもので、1990年代から途切れることなく続く温かい伝統です。

また、過去には1971年に理科準備室から薬品が盗まれるという出来事もあり、警察の捜査が行われたことも記録されています。

このように、札幌市立中央中学校は、都心の恵まれた立地、豊かな歴史、生徒の成長を支える教育活動、そして心温まる独自の伝統を通じて、多くの生徒たちが学び育つ場となっています。本校は、過去に多くの著名人を輩出しており、それぞれの分野で活躍しています。

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