杉兵助

杉兵助: 日本のコメディアン

杉兵助（すぎ へいすけ、1916年2月17日 - 1996年6月16日）は、日本のコメディアンとして広く知られる人物であり、東京の浅草地区に生まれました。彼は法政大学法学部に在籍していましたが、その道を中退し、芸能の世界に足を踏み入れました。

初期の活動とデビュー

杉兵助の芸人としての出発点は、フレッド・アステアに影響を受けて始めたタップダンスでした。彼は浅草の劇場や映画館、寄席などで多くの時間を過ごし、勉強しました。21歳の時、浅草オペラ館に訪れた際に、役者がいなくなり、その隙間を埋める形で急遽出演したことが、彼の浅草でのデビューとなります。この際、陸軍中将の杉山兵助にちなんで、芸名を「杉兵助」と名乗ることになりました。

吉本興業との関係

杉兵助はその後、東京吉本に引き抜かれ、給料が4倍という好条件で「吉本舞踊団」に参加しましたが、待遇への不満から脱退し、多くの劇場を巡る生活を送ります。戦時中、浅草の金龍館や静岡の歌舞伎座、大阪の梅田映画劇場など、全国各地を回りながら彼の活動は続きました。

戦後とテレビ出演

戦後、杉兵助は地方を巡りながら活動を続け、関敬六劇団での経験を得た後、1969年には渋谷道頓堀劇場に専属コメディアンとして所属します。彼は長いキャリアの中で、テレビ番組にも多く出演し、特に「笑っていいとも!」では、天然ボケを披露し話題を呼びました。また、彼の明るい性格は多くの視聴者に親しまれ、高齢になっても活躍する姿に多くのファンがつきました。

晩年には、道頓堀劇場の閉館に際し、弟子であるコント赤信号との共演もありました。彼の個性的なキャラクターとユーモラスなスタイルは、どの世代の人々にも愛され続けました。

最期と影響

1996年、杉兵助は脳梗塞により80歳で亡くなりました。彼は最後の瞬間まで、コメディアンとしての人生を全うし続け、多くの弟子たちにその影響を与えました。その中には、コント赤信号やダチョウ倶楽部の肥後克広、亀頭白乃介などが含まれています。彼はまた、自身の経験と笑いを詰め込んだ著書『笑ってくれて、アリガトウ―杉兵助のハチャメチャ人生日記』を1989年に出版し、コメディの世界における彼の足跡は今も色あせることがありません。

杉兵助はその独自のスタイルと誠実な人柄で、多くの人々の心に残る存在として今も記憶されています。

もう一度検索