杉山忠平

杉山忠平（すぎやまちゅうへい）

杉山忠平は、1921年3月7日に静岡県沼津市に生まれ、1999年3月21日に亡くなるまでの間、日本の経済学界に多大な影響を与えた経済学者です。彼の専門分野は英国経済学史であり、一橋大学社会科学古典資料センターの第2代主任教授を務めました。また、経済学史学会の代表幹事や経済資料協議会の会長としても活躍しました。

学歴と経歴

杉山は沼津中学（現在の静岡県立沼津東高等学校）を卒業後、東京商科大学（現一橋大学）に入学しましたが、学徒出陣により第3師団に入隊。その後、結核により除隊し、1945年に大学を卒業しました。卒業後は沼津の芝浦工作機械（現芝浦機械）に就職しますが、1947年に退職し、日本大学で専任講師として教壇に立ちました。

その後、日本大学から静岡大学へと移り、助教授として経歴を重ねました。一橋大学大学院に留学し、大塚金之助に師事した後、ブリティッシュ・カウンシルを通じてマンチェスター大学やロンドン大学での留学を経験しました。1964年、静岡大学の教授に就任し、文部省在外研究員としてイギリスに滞在しました。この際、彼の著書『イギリス信用思想史研究』が日本学士院賞を受賞しています。

1981年には静岡大学名誉教授となり、一橋大学法学部と経済学研究科に移籍します。これらの役割に加え、社会科学古典資料センターの主任教授としても多大な貢献をしました。1985年に東京経済大学教授となり、1991年に定年退職するまで教育と研究に注力しました。名誉教授、特任教授としても活動し、92年には経済資料協議会の会長に就任しました。

業績と著作

杉山は多彩な著書を著し、経済学の発展に寄与しました。1963年には『イギリス信用思想史研究』を出版し、その後も『イギリスの国・イギリスの人』や『理性と革命の時代に生きて J・プリーストリ伝』など、多くの重要な著作を残しています。また、経済学に関する重要なテーマについて深く考察した『明治啓蒙期の経済思想 福沢諭吉を中心に』も注目されています。

さらに、彼は多くの共著や翻訳も手掛けており、アダム・スミスに関する仕事や、ジョサイア・チャイルドの『新交易論』、さらにはアダム・スミスの『国富論』など、経済学に関する古典的な作品の翻訳にも携わっています。

最晩年

1998年には東京女子医科大学病院に入院し、99年3月21日にその生涯を閉じました。杉山は経済学界に多くの功績を残し、多くの弟子や学生に影響を与え続けました。彼の学問的遺産は、今なお経済学の発展に寄与していると言えるでしょう。

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