杉本明洋

杉本 明洋（すぎもと あきひろ）は、1981年10月20日に愛知県で生まれた日本の陸上競技選手で、主に競歩を専門としていました。

京都大学を卒業し、同大学院情報学研究科修士課程を修了するという、文武両道を実現した経歴の持ち主です。大学卒業後は実業団であるALSOKに所属し、競技生活を続けました。彼の選手としてのキャリアは、国内主要大会での活躍はもちろん、世界選手権への出場や日本記録樹立など、輝かしい実績に彩られています。2013年時点では、京都府庁に籍を置いています。

経歴

杉本氏が競歩選手として頭角を現したのは、京都大学に在学していた頃です。大学4年生だった2003年7月、第72回日本インカレ10000m競歩に出場し、強豪選手らを退けて見事優勝を飾りました。この時の記録39分59秒82は、大会新記録となる快挙でした。同年9月には、フィリピンのマニラで開催された第15回アジア選手権20km競歩に日本代表として出場。1時間22分36秒というタイムで4位に入賞し、学生アスリートとして国際舞台でも通用する実力があることを証明しました。

国内最高峰の大会である日本陸上競技選手権大会20km競歩では、長年にわたり安定した成績を残しました。2003年の第86回大会と翌2004年の第87回大会、そして2010年の第93回大会ではいずれも2位に入賞。さらに、2006年の第89回大会では3位となるなど、複数回にわたって表彰台に上っています。

実業団選手となってからも、その勢いは衰えませんでした。世界という大舞台にも挑戦し、2005年にはフィンランドのヘルシンキで開催された世界選手権20km競歩に出場。1時間25分28秒で25位という結果を残しました。そして、母国開催となった2007年の大阪世界選手権にも連続で日本代表として臨み、1時間26分45秒をマークして19位となり、前回大会よりも順位を上げました。世界最高峰の舞台で二度戦った経験は、彼の競技者としての幅を広げたことでしょう。

特筆すべきは、5000m競歩における日本記録の樹立です。2009年5月16日、山形県のNDソフトスタジアムで行われた第51回東日本実業団陸上競技選手権大会5000m競歩において、18分56秒70という驚異的なタイムで優勝。この記録は、当時の日本新記録となりました。これは、彼の持つスピード能力の高さを物語る功績と言えます。

国際大会では、アジア選手権での活躍も目立ちます。2003年に4位入賞を果たしていましたが、2009年11月には中国の広州で開催された第18回アジア選手権20km競歩に再び出場し、1時間25分00秒の記録で、またしても4位入賞という成績を収めました。主要国際大会での2度の4位入賞は、アジアトップクラスの実力者であったことの証です。

彼の20km競歩における自己ベスト記録は、2004年1月25日の第87回日本陸上競技選手権大会でマークした1時間21分09秒です。

杉本明洋氏は、知性と身体能力を兼ね備え、大学時代から社会人までトップレベルで活躍を続けた競歩選手です。特に、世界選手権への複数回出場や日本記録保持者という実績は、日本の競歩史において重要な足跡を残しています。学業と競技生活を見事に両立させた彼のキャリアは、多くの後進にとって模範となるでしょう。

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