杉浦佳子

杉浦 佳子のプロフィール

杉浦佳子（すぎうら けいこ）は1970年12月26日、静岡県掛川市で生まれた女子自転車ロードレース及びトライアスロン選手であり、特にパラサイクリングにおいてはC2からC3にクラス分けされる競技者です。現在はウェルパーク・ブリヂストンサイクリングに所属し、2019年以降は杉浦姓で活動しています。彼女は息子がプロロードレーサーの野口悠真であり、母としての顔も持っています。

来歴

佳子は掛川西高校を卒業後、北里大学薬学部に進学し、大学卒業後は薬剤師およびスポーツファーマシストとしてのキャリアをスタートさせました。趣味としてトライアスロンやロードレースに取り組んでいましたが、2016年4月に起こった事故が彼女の人生を大きく変えました。

ロードレース大会中に事故に遭い、脳挫傷や外傷性くも膜下出血など重傷を負うこととなり、医師からは治らないと言われるほどだったが、彼女は持ち前の強さでリハビリを続けました。その過程で知人からパラサイクリングを勧められ、2017年に復帰を果たしました。初年度にはUCIパラサイクリング・ロード世界選手権のタイムトライアルで優勝し、これが彼女の新たなスタートとなりました。

パラサイクリングにおける活躍

その後も成績を重ね、2018年にはUCIパラサイクリング・ロード世界選手権で女子C2クラスのロードレースでも優勝。さらには、年間表彰の「パラサイクリング賞」を受賞した際、日本人選手として初の快挙を達成しました。2018年中に離婚を経験し、2019年からは杉浦姓を名乗っています。

東京パラリンピックの栄光

2021年、東京パラリンピックにおいては日本代表として出場しました。8月25日に行われた女子個人パシュートC1-3では日本記録を更新しつつも予選敗退となりましたが、8月27日の女子500mタイムトライアルC1-3では、再び日本記録を更新し、4位入賞を果たしました。

特に注目されるのは、女子個人ロードタイムトライアルC1-3での競技です。彼女は2位の選手に22秒以上の差をつけて金メダルを獲得し、日本女子選手として初の金メダリストとなりました。なお、50歳での金メダル獲得は、日本人選手として過去最高齢の結果です。さらに、9月3日の女子個人ロードレースでも金メダルを獲得し、史上初めて同一大会での二冠を達成しました。

人物像

佳子は右半身に麻痺を抱えつつも、右手の動作は改善され、日常生活に支障がないレベルまで回復しています。競技中はブレーキの配置を工夫し、自転車に適応しています。事故の記憶はなく、医療現場での過酷な状態を乗り越えたものの、リハビリを行いながらトライアスロンに挑戦し続けた意志の強さは多くの人に感動を与えています。

東京パラリンピックの金メダル獲得後のインタビューで彼女は「最年少記録は作れませんが、最年長記録はまた作れます」とユーモラスに語りました。これにより、佳子は自身の挑戦を続けながら他の選手たちにも興奮と希望を与えています。そして2022年には、静岡県掛川市に記念のゴールドポストが設置されるなど、多くの栄誉も喫しています。

主な戦歴

• - 2017年: UCIパラサイクリング・ロード世界選手権（南アフリカ）でタイムトライアル優勝。
• - 2018年: 多くの大会で優勝し、UCIによる年間表彰を受けた。
• - 2021年: 東京パラリンピックで金メダル獲得。

栄典

• - 2021年: 紫綬褒章受章

このように、杉浦佳子は多くの人々に勇気を与える存在として、今後も大きな影響を与え続けることでしょう。

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