杉浦国頭

杉浦国頭（すぎうら くにあきら）は、江戸時代中期に活躍した国学者、歌人です。延宝6年8月12日（西暦1678年9月27日）に生まれ、元文5年6月4日（西暦1740年6月27日）に生涯を閉じました。彼は浜松諏訪神社の大祝（おおほうり、神主）という重要な役職を担い、神社の祭祀を司りました。

国頭は、浜松の医師であった渡辺周顕の次男として誕生しましたが、幼くして杉浦忠義の養子となり、その跡を継いで6歳で浜松諏訪神社の大祝となりました。初名は忠成（ただなり）、通称は大学（だいがく）、号を志水（しすい）と称しました。本姓は渡辺氏です。

国頭は、神社の社殿修復の必要性を強く感じ、その実現のために度々江戸へと足を運びました。26歳の時には、国学者として名高い荷田春満（かだ の あずままろ）に入門し、本格的に国学を学び始めました。翌年、27歳の時には春満の姪にあたる雅子（まさこ、のち真崎）と結婚し、より一層学問に励みました。

57歳になると、舎人親王（とねりしんのう）の一千年祭を執り行い、その記念として尽敬会（じんけいかい）という組織を結成しました。この会を通じて、国学の普及に力を注ぎ、遠江（とおとうみ）や三河（みかわ）といった地域に国学を広める上で大きな役割を果たしました。彼の門下からは、賀茂真淵（かもの まぶち）や斎藤信幸（さいとう のぶゆき）など、後世に名を残す多くの国学者が輩出されました。

国頭の誕生日については、旧暦8月23日とする説も存在します。彼の学問的な業績は、『伊勢物語講義抄』や『日本書紀神代巻講義抄』などの著作にまとめられており、その研究成果は後世の国学者たちにも大きな影響を与えました。

杉浦国頭は、神職としての務めを果たす傍ら、国学の研究と普及に尽力した人物であり、その学識と熱意は、江戸時代の国学の発展に大きく貢献しました。彼の残した足跡は、今もなお、日本の文化史において重要な意味を持っています。

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