杉田茂

杉田茂：伝説のボディビルダー、その軌跡と功績

杉田茂（すぎた しげる、1947年1月26日 - 2025年4月13日）は、日本のボディビル界に多大な影響を与えた人物です。大阪府出身の彼は、選手として輝かしい実績を残し、引退後もジム経営や執筆活動を通じてボディビルディングの普及に貢献しました。

選手としての活躍

杉田茂は、1976年にNABBAミスターユニバースで日本人として唯一の優勝を成し遂げました。これは、当時の日本のボディビル界にとって非常に大きな出来事でした。さらに、1981年にはIFBBミスターインターナショナルのミドル級でも優勝するなど、世界トップクラスの実力を持つ選手として名を馳せました。

ジム経営と後進育成

ミスターユニバース優勝の翌年、1977年に大阪京橋に小さなジムを開設しました。その後、ジムは順調に規模を拡大し、最終的には1200平方メートルという、個人経営としては日本一の広さを誇るジムへと成長しました。杉田は、自身のジムで多くのボディビルダーを育成し、日本のボディビル界の発展に貢献しました。

トレーニング理論と指導

杉田は、トレーニング方法にも独自の考えを持っていました。欧米人向けのトレーニング方法が主流だった時代に、日本人の骨格に合わせたトレーニング方法を模索し、効果的なトレーニング方法を確立しました。彼は、「マニュアルも少ない時代に世界一になれたのは、自分の骨格を正しく理解していたことに尽きます。従来のトレーニングは欧米人の骨格がベースで、日本人の骨格には効きやすいトレーニングと効きにくいトレーニングがあることに、試行錯誤するなかで気づいていった」と語っています。この言葉は、彼の探求心と努力を示すものです。

人柄

杉田は、道具を大切に扱うことを重視していました。ロニー・コールマンなど海外選手の真似をしてバーベルやダンベルを最後に投げ落とす選手には雷を落としていたというエピソードからも、彼のストイックな姿勢がうかがえます。高重量のダンベルを足で転がすことさえ許さなかったという話も、彼の道具への敬意を表しています。

「東の斎藤、西の杉田」

杉田茂は、斉藤隆廣と共に「東の斎藤、西の杉田」と称されました。斎藤隆廣は、1966年に日本ウエイトリフティング協会主催ボディビル選手権のミスター全日本とミスター社会人の2部門を制覇した人物で、杉田とはライバルであり、互いに高め合う存在でした。

晩年

杉田茂は、トレーニングマガジンへの執筆やトレーニングDVDの製作にも積極的に参加し、その知識と経験を多くの人々に伝えました。2025年4月13日、老衰のため78歳で亡くなりましたが、彼の功績は日本のボディビル界に永遠に刻まれています。

主な獲得タイトル

1972年 日本ボディビル選手権大会（ミスター日本）
1976年 NABBA Mr.ユニバース
1981年 IFBB Mr.インターナショナル（ミドル級）

著書

『筋トレ虎の巻 指導書には載っていない筋トレの極意を伝授』（2014年6月、ベースボール・マガジン社）
* 『筋トレ虎の巻 〈2〉 初心者・中級者のための筋トレ実践解説書』（2015年11月、ベースボール・マガジン社）

杉田茂は、選手として、指導者として、日本のボディビル界に多大な貢献をした偉大な人物です。彼の功績は、これからも多くの人々に語り継がれていくことでしょう。

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